JUSTICE
フロアに投下される新しいざわめき──正義は勝つ!
新旧が相まみえ、それぞれユニークな発想や切り口のもと、素晴らしい作品が次々に飛び出し、充実の季節を迎えている現在のダンス・ミュージック。そのなかでも、ダフトパンクのマネージャーであるペドロ・ウィンターが運営するレーベル=エド・バンガーの秘蔵っ子としてシーンから大きな注目を集めているのが、グザヴィエ・ドゥ・ロズネとギャスパール・オジェによるデュオ、ジャスティスだ。
パリ郊外出身で、共にバンド活動をしていた2人は、やがてサンプラーとリズムマシーンを手にし、2003年からジャスティスとして活動を開始する。そうして完成した2曲のうちの1曲──シミアン“Never Be Alone”のヴォーカルを用いた“We Are Your Friends”がペドロの耳に留まり、彼らはエド・バンガーと契約を交わしている。
ペドロをして「あまりのエネルギーの強さに初めて会ってから1週間で契約を決めた」と言わしめるのだから、彼らのインパクトがいかに強烈だったのかも窺い知れることだろう。実際、そのポテンシャルを証明するかのように“We Are Your Friends”(当初はジャスティスvs.シミアンの“Never Be Alone”としてリリースされた)は大ヒットを記録。しかし、その曲の成功は必ずしも彼らにとってポジティヴなものではなかったようだ。
「実はあの曲を聴いても、自分たちで作ったトラックのようには思えないんだ。3、4年前に作ったものだし……。もちろん好きな曲だけど、ずいぶん前に作ったものだから、もはやそんなに愛着がないんだよ」(グザヴィエ:以下同)。
その後、数年間のブランクを経て完成したノイジーでパンキッシュなダンス・トラック“Waters Of Nazareth”で、彼らは〈自分たちのやりたいことが達成できた〉と満面の笑みで語る。
「ああ、もちろんさ! もちろんだよ! だって、それまでは不安な要素が多かったしね。実際に“We Are Your Friends”を作った後は、数年間も曲を作らなかったんだ。だから“Waters Of Nazareth”に取り組む時には、〈まったく違うことをやろう〉って自分たちに言ったね。アルバム作りをスタートした時も、究極のエクストリームな曲に挑戦してみようって挑んだんだ」。
そして同曲がヒットしてますます状況が加熱するなか、ついに彼らは待望のファースト・アルバム『†』を完成させる。
「とっても嬉しいね。なぜなら、果たしてフル・アルバムをちゃんと作れるか半信半疑だったからさ。アルバム制作に取り組む前は“We Are Your Friends”と“Waters Of Nazareth”の2曲しか作ったことがないし、あとはリミックスだけ。だからスタジオに入った時にはどうなることかと思ったからね」。
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