耳で聴いたピープル・トゥリー(2)
8 GOLDIE
『Saturnz Return』 Ffrr(1997)
錚々たる元カレ一覧表の中でも、とりわけこの人は印象的。飛行機内での空中ファックや、トリッキー(穴兄弟)とクラブで鉢合わせ→乱闘など、数々のスキャンダルを撒き散らしてくれました。音楽面での直接的なカラミはなかったけど、ノエル・ギャラガーを招くなどロックに寄った本作は、当時のカノジョの影響か!?
(山西)
9 KARLHEINZ STOCKHAUSEN
『Gesang Der Juenglinge/Etude/Etc』 Stockhausen Verlag
早くから音楽学校に通っていたビョークは、10歳の頃にはシュトックハウゼンやジョン・ケージといった現代音楽にも親しんでいたとか。つまり電子音楽も子供の頃に摺り込み済み。『Debut』以降、エレクトロニックなサウンドを展開していくのも、彼女にとってはルーツ再確認みたいなもの。
(村尾)
10 CHARLIE'S ANGELS
『Soundtrack』 Sony(2000)
〈チャリエン〉の映画化に際して、ビョークにも出演依頼がきていたのだそう。残念ながら実現には至りませんでしたが、サインを求めてきたファンのボールペンを噛み砕いたり、タイの空港でパパラッチをボコボコにしたりと、日頃からスーパーウーマンぶりを発揮している彼女なだけに、案外適役だったのかも!?
(山西)
11 NEW FOUND GLORY
『Catalyst』 Drive-Thru/Geffen/ユニバーサル(2004)
ニュー・ファウンド・グローリーのチャド・ギルバートは、ビョークの大ファン。腕にビョークのロゴを入れ墨しているばかりか、最近では“Joga”のカヴァーをレコーディングし、ビョークのトリビュート・アルバムまで企画しているらしい。ビョークがパンク・シーンから登場したことを改めて実感。
(村尾)
12 JONI MITCHELL
『Hissing Of Summer Lawns』 Elektra(1975)
本誌が出る頃には到着しているであろうジョニのトリビュート盤にビョークも参加し、同作収録の“The Boho Dance”をカヴァー。作風は違えど、ジャンルレスな音楽性や感性豊かな歌詞に共通を見い出せなくもない。なお、2003年に行われたアラーキーとの撮影会に、ビョークはジョニのCDを持参したらしい。
(竹内)
13 SWANS
『Filth/Body To Body, Job To Job』 Young God
ビョークが十代の頃にフェイヴァリットだったのが、NYの暗黒ジャンク帝王、スワンズ。ひたすら重いビートとデス声が生み出すエクストリームな世界は、ビョークのエモーションを奮い立たせたようだ。スワンズのリーダー、マイケル・ギラとビョークのデュエットなんてのも聴いてみたい。
(村尾)
14 BRIAN ENO
『Taking Tiger Mountain (By Strategy)』 Virgin(1974)
ブライアン・イーノもまた、十代の頃のビョークが影響を受けたアーティストのひとり。曲に込めたさまざまなアイデアやアルバムに対するコンセプチュアルな姿勢など、音楽をトータルなアートとして捉えるアプローチをビョークはイーノから学んだのかもしれない。ぜひ一度コラボレートを!
(村尾)
15 秋吉久美子
『秋吉久美子』 ユニバーサル(1975)
〈卵で子供を産みたい〉と語っていた彼女に先駆け、ビョークは〈アカデミー賞〉の壇上で無事に卵を出産!……って共通点は〈卵〉だけにあらず。みずから詞を手掛けた曲に“えんがちょ”と名付けたり、童謡を不気味に調理したり、本作ではビョーク顔負けの不思議ワールドを展開。そういえば色恋沙汰の多さも似てますな。
(山西)
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