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特集

BJORK TALK ABOUT NEW ALBUM "VOLTA"

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2007年05月24日 11:00

更新: 2007年05月24日 17:47

ソース: 『bounce』 286号(2007/4/25)

文/新谷 洋子

新作『Volta』は感情の赴くままに作り上げた、フィジカルでアッパーな一枚よ!

 それは、最初の数秒で誰の耳にもあきらかになるだろう。内から外、静から動へ、前作『Medulla』を送り出してからビョークのモードは逆方向に切り替わった――と。果たして彼女は6枚目となるニュー・アルバム『Volta』に着手した当時の心境を、次のように話している。

「今回はフィジカルでアップビートな音楽を作りたい気分だったわ。シリアスな内容のアルバムが続いたし、自宅で作業することも多かったし、ここにきてまた冒険を楽しみたくなったのよ。娘も3~4歳になって以前ほど手がかからなくなったから、身軽になれたんだと思うわ」。

  そう、ビョークが取ったアプローチはまさに冒険的だ。「計画性は全然なくて、衝動的にあちこちに出かけたの」と彼女は苦笑するが、ジャマイカからマリまでを旅し、チュニジアやマルタ島沖に停泊した船の上でもレコーディングを敢行。従ってコラボ相手も多彩で新顔ばかり。なかでも話題を集めているのがティンバランドとの共演で、『Medulla』では鳴りを潜めていたビートメイカーとしてのビョークが、強力な助っ人を得て完全復帰! かつてなくローファイで勢いよく跳ねるビートが、さまざまな音色のホーンや弦楽器の微妙に濁った響きに絡む。

「いろいろと試しているうちに悟ったのよ。今回は小賢しくて気取ったビートは似合わない、必要なのはすごくベーシックで衝動的な音なんだって。だから生のドラマーも起用したし、楽器にしても同じことで、『Vespertine』の時みたいな透明感のある弦楽器より、もっと弾力のある音が欲しくて、中国の琵琶や西アフリカのコラを使ったの」。

ここまで読み進めれば、〈衝動的〉という言葉が2度登場したことに気付いていただけたと思うが、これ、ビョークがインタヴュー中に繰り返し口にした言葉だ。そこに込められているのは、察するに〈自然と共鳴する人間の本能に根差した感覚〉というようなニュアンス。歌詞にもリンクする、アルバムの大きなテーマなのだか。

「世界中で起きている紛争も、長い歴史の中で人間が自然や本能的な感覚と切り離されてしまったことと関係があるはず。わたしはここで、〈好むと好まざるとに関わらず人間は自然の一部だ〉ってことを改めて自分に言い聞かせて、他の人たちにも伝えたかったのよ」。
▼『Volta』に参加したアーティストの作品を紹介。

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