Do Something Big(2)
いろいろなことを学べた
アルバムのエグゼクティヴ・プロデューサーを務めるのは、メイシー本人とウィル、そして現在のUSポップ・ミュージックのキーパーソンと言っても過言ではないゲフィン/A&MのCEOであるロン・フェア。プロデュースにはその三者をはじめ、ウィルとジャスティン・ティンバーレイクから成るジョー・ブレイカーズ、コリーヌ・ベイリー・レイのアルバムにも関与していたジャレッド・ゴッセリンらが携わっている。
「印象深かったのはやっぱりウィルとの仕事かな。いろいろなことを学べたからね。彼は私がどういうアーティストなのかよくわかっているし、特定の曲の制作をしていてもアルバムの全体像を常に頭に入れている。レコード会社を納得させるだけじゃなく、どうすれば世界中のみんなに聴いてもらえるかを考えているの」。
ファンタスティックでいてどこか寂寥感を漂わせるメイシーの声がどういう舞台で映えるのか、ウィルは完璧に弁えているようだ。その確かな証左となるのが、ナタリー・コールをフィーチャーしたシングルの“Finally Made Me Happy”、BEPのファーギーがバックグラウンド・ヴォーカルを務める“Glad You're Here”の両バラード。とりわけメンフィス・ソウル的な包容力を備えた後者は“I Try”や“Sweet Baby”に比肩する傑作だと言っていい。
「“Finally Made Me Happy”は自由についての曲。誰かを深く愛することで本当の自分を見失ってしまうと、以前には持ち合わせていなかった性格を演じられるようになったりすると思うんだけど、その相手と別れた後は我に返って本来の自分の姿を改めて発見するみたいな……この曲はそういった解放された感覚を表現しているの。ウィルが最高のプロデュースをしてくれたし、すべての面においてパーフェクトに仕上がってると思う。“Glad You're Here”は“Finally Made Me Happy”と逆なんだけど、別れた後もずっと心のなかに残ってる、一生忘れることができないような関係について歌ってる。たとえ物理的にいっしょにいなくても一生続くような関係ね」。
▼『Big』に参加したアーティストの作品を一部紹介。
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