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ロック・バンドとクラブ・アクトの甘~いカンケイ

 現時点におけるクラブとロックの結び付きを考えた時に浮かぶ曲。まずロック・サイドでのそれは、ラプチャーの“House Of Jealous Lovers”である。この曲は2002年にDFAから発表され、(ライセンス契約のみではあるが)アウトプットからもリリースされた。同曲がクラブとロックを結ぶ発火点となり、双方のシーンへ刺激を与えたことは、それぞれのレーベル・オーナーによるプロジェクト(LCDサウンドシステムとプレイグループ)のその後の活躍が証明しているはずだ。ちなみにこの〈House Of~〉は、MOODMANがいち早く自身のミックスCDに収録していた曲でもある。

 一方のクラブ・サイドから発信された曲としては、オルター・イーゴが2004年に発表した“Rocker”を真っ先に挙げておくべきだろう。そしてその双方の歩み寄りはより現実化し(もちろん以前からそうした動きはあったが)、以降、クラブ・アクトがロック・バンドの楽曲をリミックスするという具体的な形が増えていった。現在チェックすべきリミキサーは、フランツ・フェルディナンドやブロック・パーティーをはじめ、ホット・チップなどを手掛けてきたエロール・アルカン、同じくブロック・パーティー、ラプチャー、デペッシュ・モードまでをリミックスしたブラック・ストロボ。そして忘れてはいけないのが、ディプロだ! CSSやヤー・ヤー・ヤーズ、ベックにブロック・パーティー(またもや!)など、ハズさない仕事ぶりで注目度大。他にも、アーティストとしてはティガや“A Bit Patchy”で一躍時の人となったスウィッチ、そしてジャスティスなどなど。レーベルだと、そのジャスティスもリリースしているエド・バンガーやキツネ、ヴァン・シーやウルフマザーなどで知られるオーストラリアのモデュラーあたりが人気を集めている。
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カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2007年03月15日 11:00

更新: 2007年03月15日 20:29

ソース: 『bounce』 284号(2007/2/25)

文/池田 義昭

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