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ブラジルから現れたCSSの灼熱ライヴに潜入だ!


  2007年1月16日の東京・DUO MUSIC EXCHANGE。開演から5分くらい遅れてホールの扉をくぐると、早くもフロアは大きく揺れていた。踊りまくる観客を前に、小さな身体にパワーを漲らせたラヴフォックス(ヴォーカル)が飛び跳ねながら歌っている。その姿はブラジルのビョークって感じ。打ち込みのダンサブルなビートに絡むタイトなドラムとベース、そこにシャープなギターが斬り込んでくるディスコ・パンクなカッコ良さは、NY産とはひと味違った、南米産のプリミティヴなパワーが全開だ。

 CSSが結成されたのはブラジルのサンパウロ。現在のメンバーはラヴフォックスのほか、カロリーナ・パラ(ギター/ドラムス)、アナ・レゼンデ(ギター/ハーモニカ)、ルイザ・サア(ギター/キーボード)、イセラマ・トレヴィサン(ベース)、アドリアーノ・シントラ(ドラムス/ギター/ヴォーカル)の女性5人+男性1人による計6名。メンバーのほとんどが楽器を弾けない状態で活動を開始した彼らは、パーティーをオーガナイズしながら、そこでバンドのスキルを上げていった。

 とにかく、そのパーティーがめちゃくちゃ盛り上がってたそうで、いつも男性下着が飛び交っていたとか。その勢いに乗って、バンドは2005年にファースト・アルバム『Cansei De Sera Sexy』をリリース。その人気はアメリカへも飛び火して、彼らはインディー・レーベルの老舗、サブ・ポップから全米デビューを果たした。そういえば、80年代初頭のサンパウロでは〈ノー・サンパウロ〉ともいうべきポスト・パンク・シーンが生まれたが、その遺伝子を受け継ぐパンキッシュなファンクネスが、CSSのステージからダイレクトに伝わってくるのだった。次回は下着持参で!

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2007年03月15日 11:00

更新: 2007年03月15日 20:29

ソース: 『bounce』 284号(2007/2/25)

文/村尾 泰郎

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