Get The Party Started!!(5)
NEW YORK(US)
金はないが才能を持て余していたラプチャー、!!!、レディオ4、ライアーズなどのメンバーが、家賃の安いNYのブルックリン地区に集まって音楽活動を始めた2000年代初期から、このムーヴメントの胎動は始まっていた。多くのポスト・パンク・バンドを送り出したDFAの主宰者、ジェイムズ・マーフィーもシーンのスポークスマンとして重要な役割を果たしたひとりだろう。そんな彼らが耕した土壌の上に成り立っているのが現在のロック・シーンといっても過言ではないのだが、さらに歴史を辿ると現在のNYに直結するムーヴメントが存在していた。それが70年代後期のノーウェイヴ。時代を越えた2つのシーンは、共にパンクの初期衝動をアート面に特化させて昇華し、ビートを強調させるという方法論に辿り着いている。このあたりは、しっかりと押さえておきたいところだ。
(冨田明宏)