最新のロックで大ハシャギする前に、ここ数年のシーンの流れをざっとおさらいしましょう!
〈ストロークスやホワイト・ストライプスが2001年に登場し、それに呼応するようにUKからリバティーンズが産声を上げることで一気に活性化した昨今のロック・シーン〉みたいな語り文句は、いい加減聞き飽きたっつーの!!──なんてぼやきを耳にすることの多かった2006年の下半期。だが、NMEが狂犬のように騒ぎ立てているクラクソンズ、サンシャイン・アンダーグラウンドらを筆頭とした〈ニュー・レイヴ〉という新たなダンス・ロック・シーンの出現で、〈ストロークス、ホワイト・ストライプス云々〉時代は一気に過去のものになりそうである。とは言うものの、その予兆は全世界的規模で確認されてきたことであり、このグルーヴィーなロック・ムーヴメントも実は想定内の現象だった。
その芽生えとしては、〈オーディエンスを踊らせること〉に意識的だった80'sシーンのリヴァイヴァル・ブームが真っ先に挙げられるだろう。ライヴハウスでサイリュームを持って踊るなど、クラブとの垣根にオーディエンスみずからが風穴を開けるような風景が数年前から確認されていたのだ。こういったムーヴメントのなかでもNYのラプチャー、UKのフランツ・フェルディナンドは、ほどなくして掃いて捨てるほど登場することとなる二番煎じとは一線を画した確固たるオリジナリティーを誇示。当然のように人気を集めることとなる。
さらにもっと遡れば、ダフト・パンクの『Discovery』やレディオヘッドの『Kid A』あたりから徐々に始まっていたロック・リスナーの嗜好の変化が、ライヴとレイヴの混交により顕在化したと言えるかもしれない。この特集ではさまざまなスタイルを持ったダンス・ロック・バンドを紹介していくわけだが、今後彼らが起爆剤となって、後続アーティストの浮上を加速させることは間違いないだろう。どうやら2007年は、七色のグルーヴが渦巻くフロアで踊り続けることになりそうだ!
▼関連盤を紹介
ラプチャーの2003年作『Echoes』(Mercury)
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