RevolutionaList(2)
CITIZEN:
ヴィタリックが主宰するレーベル。アシッド&ロッキンなダーティー・エレクトロ・ディスコを鳴らすジョン・ロード・フォンダや、アッパーなダンス・ビートとネオアコ的なノスタルジアを同居させたペネロープスなど、数組の個性的なアーティストを輩出。先ごろリリースされたレーベル初のミックスCDではレーベル音源をほどほどに抑え、セオ・パリッシュ“Falling Up”のカール・クレイグ・リミックス、ボーダー・コミュニティーのペッター、いまや引っ張りダコなスウィッチのキラー・トラック“A Bit Patchy”などを駆使したミニマル&エレクトロ・セットが評判となっている。でもラストにセバスチャン・テリエを持ってくるあたり、流石はおフランス!?
(青木)
JOAKIM:
2000年前後からヴァーサタイルやそのサブレーベル、フューチャー・トークからジョアキム・ローン・オクテット名義で作品リリースを始めたジョアキム。K.I.M.やT.B.S.名義でも活動し、さらにリミキサーとしても人気が高く、ティガ、アニー、DJ T、フィッシャースプーナーなど相当な数をこなしている。一方では個性的なニューウェイヴ~ディスコ~ポップス作品のリリースで知られるタイガースシのA&Rを務めているが、同レーベルのユニークなスタンスは彼自身の作品にも顕著で、新作『Monsters & Silly Songs』ではエレクトロやニューウェイヴに、ダブ、ディスコなどを混合したどこにも属さない音を作り、音楽に対する造詣の深さを垣間見せている。
(青木)
PEDRO WINTER:
ダフト・パンクやジャスティスのマネージメントを務めながら、フレンチ・エレクトロ界に革命を起こさんと、自主レーベルのエド・バンガーを2003年に設立したシーン最大のキーパーソン。そのエド・バンガーはジャスティスやDJメディ、セバスチャン、ウフィーなど、現在のフレンチ・ニュー・スクールを語る際に欠かせない面々の作品を次々とリリースして、一躍シーン最注目のレーベルに躍り出た。ペドロ自身もビジーP名義で作品をリリース。さらにはリミキサーとしての顔も持ち、ジゴロからリリースされたDJヘル“Let No Man Jack”を手掛けるなど精力的に活動。エド・バンガーからはコンピ『Ed Banger Records Vol. 2』が間もなく届けられる予定だ。
(青木)
JUSTICE:
パリで結成され、ペドロ・ウィンターに見い出されてエド・バンガー入りしたムサい2人組。シミアンのバラード曲をジャックしたジャスティスvs.シミアン名義の“Never Be Alone”でデビューしたのは2003年のことだが、翌年に同曲が独ジゴロにライセンスされるや一気にブレイク。その後は恐ろしい起爆力を誇るトラッシュ・エレクトロ・ディスコの“Waters Of Nazareth”が続き、並行してMrオイゾーやN.E.R.D.、フランツ・フェルディナンド、ブリトニー・スピアーズ、デス・フロム・アバヴ・1979らのリミックスを世に出しまくり。ロック・リスナーをも容易に呑み込むスケールの大きさは、今年中に登場する待望のフル・アルバムで改めて証明されるはずだ。
(轟)
SEBASTIAN:
エド・バンガーを代表するアーティスト。ダフト・パンク、アニー、ラプチャー、カット・コピー、マイロ、ケリスなどリミックス受注リストには大物がズラリ! カットアップやエディットを武器にビキビキのエレクトロニック・サウンドを駆使し、今後も信者を増やしていきそうだ。ただし、まだCDでは、ダフト・パンクのリミックス・アルバムやコンピ、ミックス作品などでしか音源をチェックできないのが残念。
(青木)
DAFT PUNK:
彼らが近年起用したリミキサーは、セバスチャン、パラ・ワン、ジャスティス、エロル・アルカン、ヴィタリック、デジタリズム……予言的なメンツというか、ペドロ・ウィンターの政治力に敬服するというか。ともかく前頁の関係図からもわかるように、彼らの現行シーンへの影響力はまだまだデカいんです!
(轟)
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