Discographic [ 日本のソウル・シンガー ](2)
西城秀樹 『HIDEKI 70's』 BMG JAPAN
ありったけの魂を歌にぶつける、ワイルドな17歳。初期のディレクターがアッコさんと同じだったこともあって、アップもバラードも、作風には相通ずるソウル感を感じさせる。黒さ控えめのロックンソウル・フィーリングを湛えた歌声は、さながら〈和製ロッド・スチュワート〉か。
(久保田)
上田正樹 『Best Selection MASAKI UEDA』 ジェネオン
しみじみ切ない“悲しい色やね”はもちろん名曲だが、伝説の浪花産ファンキー・バンド=サウス・トゥ・サウス時代からキー坊の心のド真ん中にはいつも〈ソウルの神様〉が鎮座していた。やさぐれとやさしさが見事に同居した彼の歌声は神からの賜り物だ。
(北爪)
椎名純平 『甘い夜の薫り』 NEW DIGSOUL(2003)
和田アキ子はたびたび、自身のR&Bフィーリングはあくまでも〈和製〉だということを強調する発言をしていたのだが、そういうことで言えば彼も〈和製〉である。彼の味のあるソウルネスは、言葉をじっくりと聴かせる〈和メロ〉とバツグンの相性を見せるのだ。
(久保田)
金子マリ 『B-ethics』 avex io(2006)
70年のデビュー当時、そのダイナミックなヴォーカルと存在感を賞して与えられた異名は〈下北沢のジャニス・ジョプリン〉。忌野清志郎から向井秀徳までに至る作家陣によって仕立てられたこの最新作でも、圧倒的な〈ソウル〉は健在だ。
(久保田)
スクービードゥー 『SCOOBIE DO』 スピードスター(2006)
当代きってのファンキー・メロウ・フェロー、スクービードゥー。オーディエンスを揺らしまくるヴォーカル=コヤマシュウの身体の中には、〈ソウル〉という熱い血がメラメラとたぎっている! イマドキの若いモンにゃ珍しい野武士タイプのソウルマンだ。
(久保田)
大西ユカリと新世界 『おんなのうた』 サブスタンス(2006)
〈ソウル〉と〈演歌〉は、そのサウンドで差別化されるが、〈ソウル・シンガー〉と〈演歌歌手〉の基準というのは実に曖昧だ。その曖昧かつ絶妙なポジションで〈いいおんなのうた〉を歌うユカリ姐さん。そういえば、大阪は〈和製ソウル〉の産地だな。
(久保田)