和田アキ子

　　スウィンギング・ロンドンならぬ〈スウィンギング・ニッポン〉の夜明け――。ヴェンチャーズの登場をきっかけに巻き起こった〈エレキ・ブーム〉を体験し、さらにビートルズをはじめとする英国ビート・グループの新鮮なサウンドに興奮した若者たちは、〈みずから楽器を鳴らして歌う〉という娯楽を見つけた。かれこれ40年ほど前の話。それまで、いわゆる〈プロ〉のミュージシャンたちの〈場〉だったジャズ喫茶（いまで言うライヴハウスのようなもの）では、昨日今日演ずる楽しみを知った、しかし、情熱だけはプロ並みの若僧たちが腕を磨きはじめる。