MIX-UP!!
話題のミックスCDあれこれ
クラブ・ミュージックの範疇だとミックスCDはより親しみやすいフォーマットですが、ここでは何らかの革新性やトピックを内包した野心的な作品を選んでみました。
RICHIE HAWTIN 『DE9 : Transitions』 Minus
前作でDJミックスの概念を更新した男が最新クリック・ハウス中心の楽曲を徹底的に分解~再構築。5.1サラウンド・フォーマットでの音の位相まで計算した作りは前人未踏の域に達し、ミックスCDのまた新たな基準を規定した。
Grayhound Presents Garth : 『Unleash The Hound』 Grayhound
フロア人気の高かったディスコ・ダブだが、上質な西海岸産ダブ・ハウス銘柄=グレイハウンドの音源を主宰者のDJガースがミックスした本作は、ユルくてトリッピーな音像で西海岸の充実ぶりを象徴していた。
『Frequencies』 : Francois K Wavetec/Wave Music
70年代後半からNYハウスの軸であり続ける〈生ける伝説〉のDJミックスながら、ホールデンやスリープアーカイヴなどの最新クリック~テクノな選曲、DJソフト使用、と伝統の欠片もない(褒め言葉)アンチエイジングぶり。
『Life Force Compilied And Mixed By Foolish Felix』 cutting edge
日本各地で開花した独立系野外パーティーの草分け〈Life Force〉をニック・ザ・レコードと共に支える強者の、ディープでダビーでディスコなフリーフォーム盤。真のトランス体験を招く別世界ミックス!
Shift to the other time -『KARAFUTO Live mix at UNIT 28.1.2006』 disques corde
テクノもハウスも皆クリックに辿り着いた2006年、その流れを牽引してきた田中フミヤのDJ盤。ノーPCのライヴ録音で丹念に曲の良さを引き出すような、フロアに選ばれた結果の産物。
『DJ-Kicks』 : Henrik Schwarz !K7
クリッキーかつデトロイト、そしてディープな作風で大人気な地下シーンのカリスマによるミックス。ドレクシアやロブ・フッドといったデトロイト勢からディアンジェロ、JBにマーヴィン・ゲイが連なるブラック・ミュージック歴史絵巻に。
『Ame...Mixing』 Sonar Kollektiv
“Rej”がフランソワKからルチアーノまでジャンル横断キラー・チューンと化したアームのミックス盤は、クリック~デトロイトを経て、アシュラ“Sunrain”でシメる桃源郷。これがジャザノヴァ主宰レーベルから出たってところも重要。
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