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特集

ボーダレス化で刺激的な作品が激増

ここに並んでいる作品を一見するだけでもわかるように、2006年はそれぞれのルーツ・ミュージックに世界共通のポップ・サウンドを大胆にミックスさせることで、ユニークで刺激的でポップな作品が数多く生まれたことが大きな特徴。また、ジャンルや世代や国籍を越境した斬新なコラボや、みずからのルーツではないルーツ・ミュージックに取り組むといったボーダレスな動きがさらに進み、今後も意外性のある新たな音楽が誕生することを期待できそうだ。
(ジョビン)

SERGIO MENDES 『Timeless』 Will.I. am/Concord 
ブラジル音楽界の巨匠がウィル・アイ・アムをプロデュースに迎えて2006年の幕開けをジャック! ジョン・レジェンドやエリカ・バドゥらも参加した豪華作で、特に“Mas Que Nada”のリメイクはクラブでもお茶の間でも1年とおしてヘヴィー・ローテーションでした。
(渡辺)

CLAZZIQUAI PROJECT 『Color Your Soul』 Fluxus
〈韓流〉も定着して久しいわけだけど、このユニットは当地の新たな可能性を提示。ジャジーでラウンジーなスタイリッシュ・サウンドは日本のクリエイターたちも巻き込み、来日/共演などの盛り上がりを見せた。何よりキャッチーなメロディーが非常に○。
(渡辺)

EMILIE SIMON 『Vegetal』 Barclay 
〈サマソニ〉にも出演し、日本でもポピュラリティーを獲得しつつある彼女の新作は奇才っぷり爆発のエレ・ポップな快作でした。オリヴィア・ルイス、ポーリン・クローゼらの活躍もあって、フランスの若手女性アーティストの層の厚さが半端じゃないことも再確認!
(本橋)

SEU JORGE 『The Life Aquatic Studio Sessions』 Hollywood 
ブラジルの若きカリスマによるデヴィッド・ボウイ・カヴァー集。得意のファンキーなスタイルを脱ぎ捨て、声とギターでじっくり聴かせてくれました。またライヴ盤やDVDのリリースにファロッファ・カリオカのリイシューと、何かと話題の多い1年でした。
(渡辺)

JUANA MOLINA 『SON』 Domino 
いまやコンテンポラリー・ポップのアイコン的存在であるアルゼンチンの才女による4作目。エレクトロニカ色がやや減衰してフォーキーな側面が強化された今作や、来日公演で見せた完全フォーク・セットといい、彼女のこの方向性は同系アーティストたちの今後の指針となりそう。
(本橋)

OJOS DE BRUJO 『Techari』 Diquela 
2006年も盛り上がったバルセロナのミクスチャー・シーン! その大本命である彼らの今作は、シーンの熱気をさらに広く知らしめることに。フラメンコにヒップホップやレゲエを混合させたそのスタイルに影響を受けた良質なグループも、次々と頭角を現してきた1年でした。
(渡辺)

KASSIN+2 『Futurisimo』 ビデオアーツ 
〈+2〉プロジェクト第3の男にして名プロデューサーとしても名を馳せるカシンがリーダーを務めた今作。強靭なバンド・サウンドに加えて歌モノとしての側面も際立たせた、ブラジル音響派たちによる快作だ。来日公演での高野寛やコーネリアスらのサプライズな客演も話題でした。
(本橋)

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2006年12月28日 11:00

更新: 2006年12月29日 00:22

ソース: 『bounce』 283号(2006/12/25)

文/ダイサク・ジョビン、渡辺 雄作、本橋 卓

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