J-REGGAE
〈ネクスト〉の動き著しい充実の1年
〈横浜レゲエ祭〉や〈HIGHEST MOUNTAIN〉の成功でシーンの成熟を裏付けたダンスホール界では、HASE-TやMIGHTY CROWNなど著名人によるコンピでの積極的な若手のフックアップ、待ち望まれたRUDEBWOY FACE、GOKIらの初作など〈ネクスト〉を示唆する動きが見られた。同時に、スカやロックステディ~ルーツ・レゲエのオンリーワンな名盤が際立ったのも特筆すべきトピック。ジャパレゲ界全体がさらなる進歩を遂げた1年と言えよう。
(岡部)
LIKKLE MAI 『Roots Candy』 BEAT
DRY&HEAVYからソロの道に進んだ彼女の記念すべき1作目。2006年は、本作でも共同プロデューサーとして名を連ねたThe Kと共にアコースティック・ライヴを重ね、しなやかさと包容力がグッと増した表現力豊かな歌声を披露。ヴォーカリストとしての新たな魅力を打ち出した。
(岡部)
MIMMI 『Natural』 ビクター
ソカ・チューン“サマータイム!!”をきっかけにソカ本国=トリニダード・トバゴでのフェス出演まで成し遂げてしまった彼女。そのエンターテイナーぶりは、笑いあり涙ありの本作でも爆発。ジャズ、ファンクまでも披露する懐の深さでヴォーカリストとしてもネクストの域を証明してくれました。
(岡部)
YOYO-C 『LOVE, PEACE & LIGHT』 アルファエンタープライズ
日本産のトラックに熱い視線が注がれた2006年だが、マイク持ちである彼がみずから手掛けたニュー・スタイル・トラックの数々は衝撃的であった。ジャマイカを模倣するだけではなく、日本の〈いま〉を切り拓くべくシーンを見据えた意義深い作品。
(岡部)
RICO RODRIGUEZ 『Japa-Rico -Rico Rodriguez Meets Japan』 ソニー
70歳を過ぎたジャマイカン・レジェンドのひとりである彼が、2006年にまさか3度も来日するとも、2時間ものステージをこなせるとも思わなかった。そんな彼の音楽への情熱と、彼に敬意を表する日本のバンドたちの新しい感性が融合した記録盤。
(斉藤)
KODAMA AND THE DUB STATION BAND 『MORE』 DELPHONIC
約10年ぶりに発掘された音源をきっかけに再始動した彼ら。ライヴを重ねていくことで、ここ数年のターンテーブル・セットにはなかったグルーヴ感を獲得。こだま和文のトランペットをより生々しく映し出したロッカーズ・サウンドの誕生だ。
(斉藤)
PUSHIM 『Sing A Song...Lighter!』 NeO-SITE/キューン
〈彼女なくして……〉というほど幾多の野外フェスに名を馳せ、シーンの支柱的役割を担っていた2006年。2年ぶりのアルバムは歴史に残る最高傑作と賞され、全国ツアーは追加公演もまで飛び出る大盛況ぶり。〈日本レゲエ界のクイーン〉の称号を改めて証明した。
(岡部)
FIRE BALL 『SOUNDS OF REVOLUTION』 LIFE STYLE/東芝EMI
RHYMESTERやJTBら猛者陣とのハードコア路線は言わずもがな、ミディアムでのどっしり腰を据えたパフォーマンスが素晴らしい印象を残した会心作。ソロ楽曲への挑戦も然り、シーンを牽引し続ける立場だからこその貫禄たるものが見て取れる。
(岡部)
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