LOUD ROCK
若手の台頭でシーン全体が興隆
2006年を振り返ってまず最初に思い浮かぶトピックは、やはり〈メタル復権〉だろう。なかでも、トリヴィウムやドラゴンフォースなど新世代バンドの活躍が目立った。ほかにも、ピアノ・エモ勢の隆盛や、若手メロディック・パンク・バンドの台頭、ウルフマザーらによるハードロック・リヴァイヴァルといった動きもあり、ますます多様化する現代のラウド・ロック・シーンを象徴するような、さまざまなタイプの若手バンドがシーンを盛り上げた一年だった。
(粟野)
DREAM STATE 『Something To Believe In』 FABTONE
2005年のウェイキング・アッシュランドに続いてブレイクを果たした若き3人組。キーワードはもちろん〈ピアノ・エモ〉だが、普遍的なメロディーを携えた楽曲は、エモの範疇を超えて万人に受け入れられた。2007年早々には新作をリリース予定だとか。
(粟野)
NOFX 『Wolves In Wolves' Clothing』 Fat Wreck
ミー・ファースト・アンド・ザ・ギミ・ギミズの新作も含め、ファット・マイクがミュージシャンとして精力的に活動した1年だった。新世代のバンドが数多く現れるなか、本気バンドで挑んだ同作では、メロディック・パンク・シーンのリーダーとして違いを見せつけた。
(粟野)
RED HOT CHILI PEPPERS 『Stadium Arcadium』 Warner Bros.
キャリア初の2枚組となる本作で、またしても特大セールスを打ち出した彼ら。映画「DEATH NOTE」の主題歌に楽曲を提供したり、〈フジロック〉で来日したりと、2006年は日本のファンにとって忘れ難い充実の年となりました。
(山口)
TOWERS OF LONDON 『Blood, Sweat & Towers』 TVT
そう語られることは少ないが、パンク/メタル層の境界線を縮め、〈メタルの復興〉に一役買ったバンドがいる。それがコイツらだ。その野暮ったいルックスとサウンドがメタル・ファンから、熱きスピリットがパンク・ファンから熱狂的に受け入れられた。
(山口)
AVENGED SEVENFOLD 『City Of Evil』 Warner Bros.
ギャルからの人気も絶大なメタル・コア・バンド。メタル独特の大袈裟な展開をさらりと聴けるように変換し(これぞ新世代バンドのなせる技?)、懐かしいようで斬新なメタルを完成。〈メタル=ダサイ〉という世間一般の概念を見事に覆してくれた功績はデカイ。
(山口)
WOLFMOTHER 『Wolfmother』 Inter-scope
2006年のロック・シーンはルーツ回帰的な作品が目立ったが、本作はその流れを象徴する一枚でもある。彼らの奏でるサウンドは、モロにレッド・ツェッペリンの血を継承! 元ネタを知らない若いリスナーにとっては、ルーツ探訪を促すきっかけとなった。
(山口)
SLAYER 『Christ Illusion』 American
アイアン・メイデンと共に2006年のメタル・ブームに火を付けたのがこのヴェテラン・バンド! オリジナル・メンバーのデイヴ・ロンバートの復帰、〈LOUD PARK〉への出演など話題性も十分で、若いキッズが今作を求めて店に殺到したなんていう逸話も。さすがパイオニアは違う!
(山口)
TAKING BACK SUNDAY 『Louder Now』 Warner Bros.
メジャー移籍第1弾となる本作が全米アルバム・チャート初登場2位を記録。彼らの出自であるスクリーモ・シーンから一歩踏み出す格好となった。〈サマソニ〉と〈テイスト・オブ・ケイオス〉では来日も果たし、勢いの良さを感じさせるステージを披露。
(粟野)
- 前の記事: THE b-est US ROCK ACT BEN HARPER
- 次の記事: LOUD ROCK(2)