AUTHENTIC POPS
楽曲そのものが正当に評価された1年
ダニエル・パウターを筆頭に次々と出現したブルーアイド・ソウルな男性シンガーや、クリスタル・マイヤーズやシャイアン・キンボールなどのガールズ・ロック勢がロングセラーとなって、気付けば大きなムーヴメントを構築。彼ら(彼女ら)はこの1年でたびたび来日を果たし、お茶の間レヴェルでも人気を博しました。総じて新人の活躍が目立ったとはいえ、その初々しさをもてはやすというよりも、例年になく楽曲の良さや質の高さが重視された年でもあります。
BENT FABRIC 『Jukebox』 Universal Denmark
ジャズ・ピアニストと7人のヴォーカリストが繰り広げる賑やかな一枚。〈ベン・フォールズmeetsファットボーイ・スリム〉と例えられるのも納得の、ロック好きからクラバーまでをも乱舞させるビッグ・ビートの応酬で、世界規模での大ブレイクを果たしました。
DANIEL POWTER 『Daniel Powter』 Warner Bros.
2006年の音楽シーンを代表するピアノマン。ハスキーな歌声と温かいメロディーが印象的な大ヒット曲“Bad Day”は、どれだけのリスナーに勇気を与えたことでしょう。彼のブレイクを受けてポップ・シーンではブルーアイド・ソウル系のシンガーが目覚ましく活躍。
KT TUNSTALL 『Eye To The Telescope』 Relentless/Virgin
〈フジロック〉で初来日を果たした彼女。可愛いルックスとは裏腹に、男子顔負けの壮絶なギター・テクも話題になりました! 全世界で300万枚のセールスを突破。映画「プラダを着た悪魔」や「サドゥンリー・アイシー」にも楽曲が起用され、一躍セレブに!
P!NK 『I'm Not Dead』 LaFace
セレブな女の子がもてはやされるなか、パリス・ヒルトンのモノマネや豊胸手術をパロディーにしたプロモ・クリップでその流れを真っ向から否定。結婚を機に少しはおしとやかになったかしら?と思いきや、前作に引き続きロック色の強い新作を携えて姐御はさらにヒートアップ! 流石です。
KRYSTAL 『MEYERS Krystal Meyers』 Provident/Essential/Sony BMG
17才にしてガールズ・ロックの頂点を極めた彼女。力強い歌声とパワフルなメロを携えて〈絶対自分主義〉を作品に注入し、多くの共感を獲得しました。また、本作の日本盤リリースから半年足らずで2作目を発表するなど、多忙ぶりもシーンNo.1!
PET SHOP BOYS 『Fundamentl』 Virgin
結成20年を迎えた彼らがふたたびトレヴァー・ホーンをプロデューサーに迎えた本作は、全盛期にも劣らない眩いばかりのダンサブルな楽曲をズラリと収録。シザー・シスターズなどディスコ・ポップが人気を集めている昨今において、エレポップ界の王者としてのプライドを誇示した。
JAMES MORRISON 『Undiscovered』 Polydor
ソウルフルなハスキーヴォイスで2006年の後半を盛り上げてくれた彼。スティーヴィー・ワンダーやアル・グリーンなど偉大なるソウル・アーティストからの影響も色濃い洗練された楽曲が、本国UKはもちろん全米でも大ヒットを記録。ルックスの良さもピカイチ。
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