BREAKBEATS
新しいスタイルが続々と登場!!
ここにはドラムンベースやブレイクスと称される作品を大雑把に並べたが、そんななかでもジワジワと地下レヴェルの支持を越えて広がってきたのが、ハウスの延長線上で語れるボルティモア・ブレイクス、エレクトロニカとの親和性もおもしろいダブ・ステップ、そしてガラージ以降のUKヒップホップと呼べるグライムだ。そこにバイリ・ファンキも含めれば、2005年同様にエレクトロ~マイアミ・ベース経由サウンドの波はまだ続いているということになる。
(轟)
COLDCUT 『Sound Mirrors』 Ninja Tune
9年ぶりのアルバム・リリースは、誰もが驚かされた2006年クラブ・シーンの一大事でした! おまけにジョン・スペンサーという予想外なゲストをフィーチャーした“Everything Is Under Control”では思いっきりロックンロールしてたりして、再度ビックリ!
(青木)
NIGHTMARES ON WAX 『In A Space Outta Sound』 Warp
目新しさばかりを追いかけることが正しいわけじゃない。原点回帰してスモーク度をアップした本作では、ダブやソウルなど黒人音楽を血肉化し、脈々と受け継がれてきたUKクラブ・ミュージックの伝統を誇示。普遍的な音楽の魅力を再認識させてくれた。
(青木)
AQUASKY 『Teamplayers』 Passenger
ロックやポップ・フィールドでの土俵で勝負すべく、ヴォーカル入りのスタイルを選ぶアーティストが増える傾向にあったブレイクス・シーン。その顔役ともいえる大御所ユニットが果敢にクロスオーヴァー化した本作は、まさにそんな動きを象徴する一枚だった。
(青木)
SPANK ROCK 『Yoyoyoyoyo』 Big Dada
この年もっとも下品な音を聴かせてくれたのがボルティモア・ブレイクスとバイリ・ファンキ。それに加えてグライムやダンスホールまで呑み込んだ本作こそ、2006年度最強のパーティー・ミュージックだったのは疑う余地なし。ディプロの関与も見逃せない!
(青木)
DJ FLESH 『Escape From Planet Monday』 Breakbeat Kaos
現ドラムンベース界で最強のプロデューサーであることを証明した衝撃の初オリジナル作。DJシャドウやニール・テナントなどゲストを巧みに起用することで、華やかでヴァラエティーに富んだ作風に仕上げた器用さはヴェテランらしい懐の深さ。
(青木)
DJ PATIFE 『Na Estrada』 Trama
ドラムンベースのブラジル代表といえばDJマーキーだったが、ドラムンとブラジル音楽をここまで対等な関係で融合させたという意味で、本作の右に出る作品はないでしょう。同郷アーティストたちの新たな指針にもなったであろうエポックメイキングな一枚。
(青木)
BURIAL 『Burial』 Hyperdub
ダブやエレクトロニカ、グライムを主成分に重低音ベース音を引きずりながら、2006年ひっそりと盛り上がったダブ・ステップ。その代表格であるコード9が放ったこのアルバムは、メランコリックな独特の世界観で多数の信者を獲得。2007年はダブ・ステップが大爆発か!?
(青木)
ZERO 『dB Bongos, Bleeps & Basslines』 Ninja Tune
クラブ・シーンで支持されているジャズ系アーティストのなかで、もっともアシッディーで太いベースとタフなブレイクビーツを操り、テクノやハウスに負けない機能性を誇示した規格外な一枚。2006年最高にデカいベースを鳴らしたのは本作では!?
(青木)
KRAFTY KUTS 『Freakshow』 Against The Grain
ブレイクス・シーンの大物たちがロック・マナーへと歩を進めていくなか、〈Breakspoll 2006〉でベストDJに輝いた重鎮は極太のオールド・スクール・エレクトロを男らしく貫徹! ティム・デラックスとの“Bass Phenomenon”もフロア越境ヒットとなりました。
(轟)
VARIOUS 『The World Is Gone』 XL
ハイプかと思ったら大間違い! 2006年の音楽を語るうえでキーワードとなるグライムやダブ・ステップ、さらにフォークトロニカまでをも吸収し、高い次元で違和感なく融合させてしまった驚異的なアプローチには誰もが衝撃を受けたはず。地味だけどメロディーも良い!
(青木)