TECHNO/HOUSE
クリックを通過して90年代回帰?
ガラージ系からディスコ・ダブ、ロック・フェス系(?)、エレクトロ・ハウス……と、ここまで多彩な面々をムリヤリひと括りにするのが困難だが、そこにムリヤリ統一された流れをいくつか見い出そうとするなら、クリック・マナーの伝播やバレアリック精神の再考、そして90年代回帰……といったあたりになるだろうか。特に、テクノ方面で顕著になってきた90年代初頭のいわゆる初期テクノやアンビエントなどを尊ぶ姿勢は、時代を一巡どころか何巡もさせそうだ。
(轟)
FRANCK ROGER 『We Walk To Dance』 Seasons
セカンド・アルバムとなる今作もノンストップ仕立てで構成され、インスト中心ながらも歌心に溢れるメロディーはさらに進化。ダウンテンポなどの混ぜ物なし、純度100%のディープ・ハウス(ノー・ダウト!)。時間を選ばずどっぷりハマれます。
(ビグフォン)
CHICKEN LIPS 『Making Faces』 Adrift
イジャット・ボーイズらと共にディスコ・ダブ・シーンに火を点けてきた最重要ユニットが満を持して放った快作。全編にヴォーカリストを迎え、ぶっといベース・ラインにサイケ・アシッド・ダブなエフェクトをかまして、黒いブギー・ミュージックを披露してくれた。
(池田謙)
TIGA 『Sexor』 Different/PIAS
全編に渡ってヴォーカルをフィーチャーした待望のオリジナル・アルバム。エレクトロクラッシュなトラックを基調にしながら、トーキング・ヘッズがアシッド・ハウスになってたり、パブリック・エナミーのカヴァーがヒップ・ハウスみたいだったり、懐かしくて新鮮な要素も最高でした!
(ビグフォン)
TECHNASIA 『Popsoda』 Technasia/Technorient
5年ぶりながらも変わらぬしなやかなサウンドで一安心。デトロイトもシカゴもいいトコ取りできる吸収力の高さはやはり折り紙付きの彼ら。さらにはDJゴッドファーザーやデイヴ・クラークといった多彩なゲスト陣もイイ効果を生み、サウンドの幅を広げていた。
(池田謙)
ALEXANDER KOWALSKI 『Changes』 Different/PIAS
もともと秀逸なデトロイト・フォロワーとして知る人ぞ知る存在だったが、〈WIRE06〉効果もあって一気に注目度がアップ! 基本路線のディープな味わいにエレクトロ・ミニマルなブリブリ感も加えてサウンドの質も向上。さらなる進化を見せつけた。
(池田謙)
LINUS LOVES 『Stage Invader』 Breastfed
ポスト・マイロのド本命。同じようなキャッチコピーが添えられた作品はいくつも出ているが、しっかりと80'sマナーを踏襲した今作のポップさは一味も二味も違った。カヴァーやサンプル・ネタ選びのセンスも抜群で、君に胸キュンしたのだよ。
(池田謙)
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