HYPER POP
先鋭的なサウンドが大爆発!!
保守的だと思われがちな(主にUSの)メインストリームのポップスこそが実はもっとも突き抜けたサウンドを貪欲に追求している……そんな興味深い流れは、ジャスティン・ティンバーレイクのソロ・デビューから始まったものだと思うが、奇しくもそのジャスティンの2作目が届けられた年にシーンの風景は激変。ティンバランドら革新的なクリエイター陣が単にヒップホップ/R&Bの作法を持ち込むのではなく、また別個の創造性を発揮していたのも刺激的だった。
(出嶌)
NELLY FURTADO 『Loose』 Mosley/Geffen
ベタなのにプログレッシヴ、懐古的でいてフューチャリスティックなティンバランド&デンジャの暴走が逸材の才能を檻から解き放った大作。ここ数年のニューウェイヴ復古ムードを通過したポップ界は、ついに普通の80'sヒットを甦らせるところまで来てしまいました。
(出嶌)
CHRISTINA AGUILERA 『Back To Basics』 RCA
もはや旧来のイメージとは別天地にいることを満天下に知らしめた怒濤の2枚組。DJプレミアらを招いてオールドタイミーなソウル~ファンク感の表出に挑んだ作りは、世の最新モードを無視した独創的なもの。そんな唯我独尊サウンドが支持されたのも痛快でした。
(出嶌)
LILY ALLEN 『Alright, Still...』 Regal/EMI
2006年のUKを代表するニューカマー。未練タラタラな浮気男を笑って片付ける“Smile”などの歌詞や発言の辛辣さ、ポップな雑食性サウンド、ユニークでキュートなルックス……と注目点は多々あれど、〈myspace.com〉を有効にプロモーション活用したのが彼女の先駆性では。
(石田)
PARIS HILTON 『Paris』 Warner Bros.
言うまでもなく家柄は一流、スコット・ストーチらによるプロダクションも一流、それでいてふにゃふにゃした歌い口はたまらなくキュート! 愛を込めて〈最上級の片手間〉と呼びたい上々のセレブ・ポップ。これを非難する人はちょっとアタマが固すぎるんでは? 無条件にホットよ!
(出嶌)
DANITY KANE 『Danity Kane』 Bad Boy/Atlantic
TVのオーディション番組から登場するアーティストも珍しくなくなった昨今だが、ディディ仕切りの「Making The Band 3」から誕生した彼女たちはこのデビュー作で見事に全米No.1を獲得。バッド・ボーイ版プッシーキャット・ドールズさながらの大活躍を見せた。
(池田貴)
FERGIE 『The Dutchess』 Will.I.am/A&M
パワフルな女性アーティストの活躍が華々しかった2006年でしたが、ご存知ブラック・アイド・ピーズの紅一点もソロでエントリーして大成功! 最近の重要曲を手掛けまくっているポロウ・ダ・ドン製の“London Bridge”に続いて、シングル・ヒットもまだ出そうです。
(池田貴)
JESSICA SIMPSON 『A Public Affair』 Sony BMG
ジャム&ルイスやジョンタ・オースティンら豪華な作家陣を招き、80'sヒットのリメイクからカントリー風味までを盛り込んだ欲張りな一枚で、もっと内容が話題にされてもよかった佳作。別れた旦那、ニック・ラシェイの意外(失礼)なブレイクもありましたね。
(出嶌)
JUSTIN TIMBERLAKE 『FutureSex/ LoveSound』 Jive
ネリー・ファータド仕事のほか、路線変更を加えながら異形ぶりを進化させたティンバランド・サウンドがふたたび大流行! プリンスばりの革新性と奇抜さを打ち出したフューチャー・ファンクの傑作で、シングル/アルバム共にまだまだ特大ヒットを記録中。
(池田貴)
ALL SAINTS 『Studio 1』 Parlophone
一連の再結成ブームといっしょにすんな! 完璧なるガール・グループが6年ぶりに集結! これがアデージョ(死語)の魅力が爆発したパーフェクトぶり! ルックスも楽曲(ソングライターのシャズネは天才!)もコムスメを蹴散らさんばかりに最高! イイ女によるイイ音楽の筆頭でした。
(石田)