HIP HOP(3)
DJ SHADOW 『The Outsider』 Island
これまでの彼の諸作品からは想像もつかないほど劇的な変化を遂げた3作目。ハイフィーからロックまで多種多様なエキスが注入されたトラック群に、フィーチャーされたゲストも超多彩。その圧倒的なチャレンジ精神でいまなおクリエイターとして前進していることを証明してみせた。
(卯之田)
CHINGY 『Hoodstar』 Slot-A-Lot/Capitol
改めてフッドをレペゼンし、地に足を着けて臨んだ3作目。策士デュプリの手によるSWVネタのメロウ曲“Pullin' Me Back”のヒットを前フリに、アグレッシヴな面とスムースな面の両方を魅せる作りも奏功。ミッドウェストの若武者として順調にキャリア・アップしている様子を見せた。
(池谷)
P. DIDDY 『Press Play』 Bad Boy/Atlantic
眩暈がしそうなゲストとプロデューサー陣の凄まじい豪華さに加え、80年代的サウンドへの傾倒など、まさしくやりたい放題。しかし、いまディディにしかできない内容と立ち位置をアピールした本作もまた、2006年のシーンを記憶するうえでの重要作でしょう。
(池谷)
THE GAME 『Doctor's Advocate』 Geffen
さまざまな環境の変化も含め、リリース自体が騒然となるなかでドロップされた余裕のセカンド・アルバム。ライミングからリリックのラインに至るまで、MCとしての鋭いセンスと高い能力をまたしても知らしめ、絶対的な地位を確立した傑作だ。
(高橋)
JAY-Z 『Kingdome Come』 Roc-A-Fella/Def Jam
3年の引退期間においてその存在感と渇望感を十分に高めたうえで、ついに復活した現ヒップホップ界のキング。温故知新なイマのNYヒップホップの流れを汲みつつ、衰え知らずなフロウで頂点に立つ者ならではの貫禄を見せつける。まだまだ彼の王座は続きそうです。
(池谷)
PITBULL 『El Mariel』 TVT
安易にレゲトンに擦り寄らず、クバーノならではのヒップホップ・アイデンティティーで作り上げられたラティーノ作品の最高峰。自身のルーツやバックグラウンドを活かしてマイアミ・ベースからレゲトンまでを乗りこなし、作品全体のトーンを見事にコントロールした力作だ。
(高橋)
SNOOP DOGG 『Tha Blue Carpet Treatment』 Doggystyle/Geffen
西海岸勢のユニティーを高らかに訴え、多方面で尽力してきたスヌープは、今作によって年の終わりまでそのアティテュードを貫いた。ただ、ドクター・ドレーやゲームらを招いた西海岸色の濃い作りながらも、全米規模に訴求できる内容なのは流石。
(高橋)
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