HIP HOP(2)
YUNG JOC 『New Joc City』 Block/Bad Boy South/Bad Boy/Atlantic
全米3位を記録したバッドボーイ南支部の刺客。モーターサイクル・ダンスを流行させた中毒アンセム“It's Goin' Down”は、リングトーン映えするフックのキャッチーさとインパクトもヒットの決め手となった、2006年のトレンドを象徴する一曲だろう。
(池谷)
CUT CHEMIST 『The Audience's Listening』 Warner Bros.
ジュラシック5からの衝撃的な脱退を経てリリースに漕ぎ着けた初のソロ作。カット&ペースト的な手法やスクラッチなど、安易なマッシュアップとは対極にあるヒップホップ本来のおもしろさを久々に思い起こさせてくれるような、情熱的な一枚だった。
(卯之田)
PHARRELL 『In My Mind』 StarTrak/Geffen
ここ数年に渡ってシーンを席巻し続けているネプチューンズの片割れからようやく届いた初のソロ作。当然のように豪華なゲストもさることながら、趣味全開のトラックや味わい深い歌声などでファレルの個性が爆発。その存在感と魅力を存分にアピールした一枚。
(卯之田)
J. DILLA 『Shining』 BBE
ストーンズ・スロウから『Donuts』をリリースした直後に急逝し、シーンに衝撃を与えたディラの遺作。コモンやディアンジェロら盟友たちのパフォーマンスを得つつ、素晴らしいビートで埋め尽くされた本作は、ディラがヒップホップの未来を担う存在のひとりだった証だと言っても過言ではない。
(卯之田)
OUTKAST 『Idlewild』 LaFace/Jive
30年代が舞台だという映画のテーマに沿って制作された本作は、キャブ・キャロウェイを引用した先行カットの“Mighty O”など、奇抜なアイデアの固まりのようにも思えるが、それらの要素を違和感なくフィットさせてしまうのがアウトキャストならでは。久々に2人が共作したのも話題に。
(高橋)
RICK ROSS 『Port Of Miami』 Slip N Slide/Def Jam
先行シングルとなった“Hustlin'”がリングトーン史上の記録を塗り替えるヒット。映画「スカーフェイス」の世界をそのまま作品化したような、ハードコアかつストリート臭の強い内容にもかかわらず、アルバムは見事に全米1位を記録する大ヒットに。
(高橋)
LUPE FIASCO 『Lupe Fiasco's Food & Liquor』 Atlantic
ジェイ・Zの後見も話題を呼んだ新鋭ラッパーのメジャー・デビュー作。キャッチーなフロウや歌も兼備した高スキルなMCとロックなども取り込んだ規格外のサウンドは、彼がまさに新世代であることを鮮烈に演出。増えてきたコンシャス派の筆頭でもあった。
(卯之田)
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