耳で聴いたピープル・トゥリー(2)
CHICKEN LIPS
『Making Faces』 Adrift(2006)
ハウス、ロック、エレクトロの垣根を軽~く飛び越えてしまう彼らの異端っぷりはデペッシュと似ている。とりわけ全曲ヴォーカル・トラックをぶつけてきた本作での、一見ポップなのによく聴くとシンセ・ベースが過剰にウニョウニョしてるところなんて、確信犯に思えてならないのだけど……どう?
(山西)
THE HUMAN LEAGUE
『Reproduction』 Virgin(1979)
デペッシュと並んで後のテクノ勢に多大なる影響を与えたエレポップなグループといえば、やはりこの人たち。女性ヴォーカルが加入する前(グループ分裂前)に残されたこのデビュー作は、ニューウェイヴ色の強いデペッシュのデビュー作と共に〈シンセ・ポップの金字塔〉として多くのフロアで愛されてきました。
(山西)
THE MATRIX
『Soundtrack』 Warner Bros.(1999)
冒頭を飾るマリリン・マンソンをはじめ、ボディー・ミュージック界からミート・ビート・マニフェスト、インダストリアル界からミニストリーなど、どことなく〈チルドレンっぽい人〉が大挙している大ヒット映画のサントラ。左上に掲載した写真の雰囲気が似ているから、なんて安易なチョイスじゃないのよ!
(山西)
NITZER EBB
『Body Of Work』 Mute
エレクトロニック・ボディー・ミュージックの登場以前に、インダストリアルな音使いとメタル・パーカッションをいち早く導入したデペッシュ・モード。その手法を受け継いだのがニッツァー・エブだ。レーベルも同じミュートということで、まさにチルドレンの代表格と言えそう。ただしこちらのほうがちと汗臭い。
(青木)
JAMELIA
『Walk With Me』 Parlophone(2006)
UKソウル界屈指の美人歌姫は、今作に収録されている“Beware Of The Dog”にて“Personal Jesus”を大胆にもまんま引用。デペッシュのなかでも比較的ハードな曲ではあるが、彼女のパワフルな歌声が乗ることでよりロッキッシュで危険な一曲に仕上がっている。UKのR&Bらしい柔軟な姿勢が生んだ素敵な化学反応!
(山西)
MELLOWDRONE
『Box』 Red Ink/Columbia(2006)
ここ最近のバンドの中でデペッシュの順当な後継者と言えるのが、NY出身の彼ら。現代らしい叙情性を加味していて、レディオヘッド的な側面もチラリと垣間見せてはいるが、繊細かつ渋味の強いダークな歌声を聴けば、思わずマーティン・ファンも仰け反ってしまうことだろう。英国での評価が高いのにも納得!
(冨田)
DAVID BOWIE
『"Heroes"』 RCA(1997)
マーティン・ゴアのシアトリカル&ニヒルのルーツはデヴィッド・ボウイであり、マーティンはソロ作で彼のカヴァーを披露するほどのファンである。今作はボウイがベルリンで録音した2枚目の作品。そういえばデペッシュも一時期ドイツにどっぷりはまっていたりと、趣味や嗜好にまでその影響が見え隠れ!
(冨田)
BOOWY
『Just A Hero』 東芝EMI(1986)
本作のトラック・ダウンを行ったハンザトン・スタジオで折しもデペッシュが5作目を制作していたため、BOOWY御一行はちゃっかりスナップ写真をゲット(&オリジナルLPのインナーに掲載)。UKデビューも果たした布袋とマーティンの仲はその後も続いたようで、お互いのライヴ会場にも何度か足を運んでいる。
(山西)
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