WEEKEND
『La Variete』 Rough Trade/Polydor(1982)
ジャズやボサノヴァを下敷きにした音楽性、ひたすら簡素なアレンジ、そしてアリソン・スタットンの淡々としたヴォーカル……初期EBTGにもっとも近い存在だったのは間違いなく彼らだ。実際ギターのサイモン・ブースはEBTGのデビュー作に参加しているほか、共にロビン・ミラーをプロデューサーに起用している。(北爪)
渡辺満里奈
『ベスト・コレクション』 ソニー
EBTGのライナー、それもレア音源満載の『Essence And Rare 82-92』の解説を(かなり濃い内容で)書かれていたのは、当時渋谷系アイドルとも言われていた満里奈ちゃん。ご自身の楽曲にも、フリッパーズ・ギター作“大好きなシャツ(1990旅行作戦)”などネオアコ・ムードがちゃんとあったり。(久保田)
JULIE & KHARI
『Moon Bossa』 Giant Step(2006)
ジャマイカ系シンガーとジーヴァのベ-シストによるボサノヴァ色強めのクロスオーヴァー・ユニット(もちろん男女2人組!)。そんなわけでEBTGとの相性は悪いワケがないんですが、それにしたってダンサブル&ソウルフルに変身した“My Baby Don't Love Me”のカヴァーのクールさったらないですよ。(山西)
ASTRUD GILBERTO
『The Astrud Gilberto Alubm』 Verve(1965)
ご存知ボサノヴァの女王だが、この人はお世辞にも歌がウマイとは言い難い。ところがそのヘタウマ加減というか素人臭さというのが彼女の最大の魅力であるわけで、それはまんまトレイシー・ソーンにも当てはまる。クールとかフラットとかいうものだけではない、妙に蟲惑的な声。永遠の素人娘風情。(北爪)
TIEFSCHWARZ
『Eat Books』 Fine.(2006)
ドイツの大人気兄弟ユニットは、本作収録の“Damage”にてトレイシーをフィーチャー。旬のエレクトロ・ハウスなトラックの上に彼女の気怠いヴォーカルを乗せたハイセンスな一曲に仕上がっている。なお、同曲で久々に公の場に登場して気を良くした彼女は、早々にソロ・アルバムの制作に取りかかったのだとか!?(山西)
Tica
『Phenomena』 V2(2002)
トレイシー・ソーンを思わせるほど、中低域の歌声が魅力的な武田カヲリ。こんな女性ヴォーカリストは、日本においてかなり稀有な存在なんじゃないでしょうか。オーガニックなアコースティック・サウンドから、フロア寄りのサウンドまで、ユニット自体の振り幅の大きさもEBTGを彷彿とさせます。(久保田)
EVERY LITTLE THING
『Cryspy Park』 avex trax(2006)
こちらは〈カヲリ〉ではなく〈香織〉で。エヴリシング・バット・ザ……似てなくもないグループ名なもんで、初めてその名を聞いたときは、それらしきアコースティック・デュオかと思ってました(去年、アコースティック・アルバム出しましたけど)。そういえば、いつのまにか2人組になってましたね。(久保田)
VARIOUS ARTISTS
『Back to Mine -Everything But The Girl』 Ultra
オマケ。EBTGのお気に入りナンバーをまとめたコンピ。ベス・オートン(ベンは彼女の作品にも参加)やダニー・ハサウェイ、ルーツにカール・クレイグなど、ジャンルの散らかり具合もさることながら、ここに収録されたなんとなく雰囲気の似ている楽曲たちを聴いていると、2人のハイセンスぶりを再確認させられる。(山西)