SIOUXSIE AND THE BANSHEES
セックス・ピストルズの親衛隊として登場し、ニューウェイヴ期最大のカリスマ女性シンガーとなったスージー・スー率いるバンシーズ。彼女たちがいわゆるゴスのルーツとして挙げられる理由は、スージーの〈黒髪+隈取りメイク〉といったヴィジュアル要素も多分にあるものの、楽曲も含めてバンドがトータルで放つダークでクール・ビューティーな世界観によるところがやはり大きいだろう。78年のデビュー作『Scream』でポスト・パンク路線を歩み始めた彼女たちは、元スリッツの凄腕ドラマー=バッジーが加入した3作目『Kaleidoscorpe』以降にそのスタイルを確立。可憐で妖艶で繊細だが、ときに狂気すら感じさせる独創的な楽曲やステージングは、触れた者すべての胸に永遠の〈魔の刻印〉を植えつける。唯一無二の美に惹かれるゴス勢にとって、その魔力はあまりにも強烈だ。
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