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メジャーリーグを取り巻くトピックあれこれ

高橋「ヒップホップの特集とか、やりすぎなんじゃないの?」

出嶌「いやいや。そうは言ってもデカい作品が切れ目なくリリースされてくるんで、これは紹介すべきなんですよ!」

高橋「あとさ、最近ってどれもデカいブツのような気がしない? 昔より地域とかクルーも多岐に渡ってるしさ」

出嶌「確かに、最近注目のエリアは?って訊かれてもひとつには絞れない気はしますね」

高橋「地域性で見るのもおもしろいけど、逆にそういう括りを飛び越えるものが登場してくる瞬間をキャッチしたいんだよね。オレ的には最近だとヨー・ゴッティとかリック・ロスとかにグッときたね。例えばサウスが好きじゃなくてもそれに反応しなきゃマズいような」

出嶌「シーン全体にいきなりプッシュしていくムードが出てくるのは、ヤング・ジーズィもそうでしたけど、おもしろいですね。ヤング・ジョックなんかも、ド新人だったのがアッという間に大物扱いで」

高橋「いまは最初から何か風格のあるサグ連中が多いよ。ロスもヨーも、ヒューストンのスリム・サグとかカミリオネアとかポール・ウォールにしても、インディーで長年リリースしてきてたヤツだったじゃん?」

出嶌「メジャーが到達点じゃなくなってるんでしょうね。最近はメインストリームにドーンと出てきて、その後でインディー規模のマイペースな活動になっていく人が多いような。ファット・ジョーもコッチに移ったし、よく考えるとアイス・キューブもインディーだし」

高橋「逆にいまのメジャー・レーベルにはインディー風の奴らが案外いるよね。D4Lとかデム・フランチャイズ・ボーイズとかさ」

出嶌「メジャーじゃなくてもメジャー感のある作品が増えてる」

高橋「コッチとかTVTの存在がデカいんでしょ。ああいうメジャー・インディー形態のリリースが増えてきて、メジャーと同じ質の作品も作れることが判明してしまったわけだから。メジャーっぽいメジャーって、いまだとエミネム周りとか、DMXあたりのスウィズ・ビーツっぽい音になるかね」

出嶌「スウィズといえば、ボーン・サグズン・ハーモニーがスウィズのレーベルからの新作の前フリにコッチから新作を出してきて、そういうのも象徴的ですよ」

高橋「だからリリースが多くなるんだよ!」

出嶌「だから何回も特集するんですよ!」


ポール・ウォールの2005年作『The Peoples Champ』(Swisha House/Asylum)

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2006年10月05日 12:00

更新: 2006年10月05日 21:51

ソース: 『bounce』 280号(2006/9/25)

文/高橋 荒太郎、出嶌 孝次、Masso 187um

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