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特集

DISCOGRAPHIC JOHNNY CASH

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2006年09月21日 12:00

更新: 2006年09月21日 20:11

ソース: 『bounce』 279号(2006/8/25)

文/出嶌 孝次

ジョニー・キャッシュを知るための9枚

『Johnny Cash With His Hot And Blue Guitar』
Sun(1957)


  アルバム単位で語れない時代なのは前提ながら……“I Walk The Line”や“Cry! Cry! Cry!”など55~57年のヒット・シングルを中心としたファースト・アルバム。ヒルビリー・バップ~ロカビリー調のカラリとソリッドな演奏に陰影のある歌声が響くスタイルはすでに確立されている。

『Ride This Train』
Columbia/ソニー(1960)

  汽車で全米を回って各地の伝承や逸話を歌と語りで紹介するという、当時は珍しかったコンセプト・アルバムであり、フォーク歌手としての彼の原点か。逃亡犯のジョン・ウェズリー・ハーディングや名もなき罪人になりきったキャッシュの、やるせなくも温かい歌い口が印象的だ。

『Blood Sweat And Tears』
Columbia(1963)


  労働者たちの苦境を歌ったコンセプト・アルバムで、アメリカーナ3部作の第1弾となる。実在の人物を題材にした組曲風の“The Legend Of John Henry's Hammer”で幕を開け、ブルージーな“Tell Him I'm Gone”などアレンジも多彩だ。カーター・ファミリーのサポートもいい。

『Bitter Tears (Ballads Of The American Indian)』
Columbia/ソニー(1964)

  フォーク歌手のピーター・ラファージが描いたネイティヴ・アメリカンの苦悩に心を寄せ、ほぼ全編を彼の曲で構成した異色作。“The Ballad Of Ira Hayes”こそヒットしたが、〈白人が侵略者である〉というテーマそのものがカントリー界を揺るがすラディカルな問題作となった。

『Orange Blossom Special』
Columbia(1965)

  前年に邂逅したボブ・ディランの影響を受け、モダンなフォーク・サウンドも意識してみせた力作。ブルーグラスの名曲となる表題曲や不倫の報いを重々しく歌う“The Long Black Veil”などの従来路線に交じって、豪快な〈悲しきベイブ〉など3曲のディラン解釈が光る。

『At Folsom Prison』
Columbia/ソニー(1968)

  かつて“Folsom Prison Blues”で歌ったフォルサム刑務所でのライヴ録音。カール・パーキンスやジューン・カーターも交えた演奏そのものも凄いが、ウズウズした現場の空気や所内のアナウンス放送なども収められた実況感も凄い。かの“Cocaine Blues”もここで初披露!

『American Recordings』
American(1994)

  彼自身には何度目かの黄金時代を、若年層のロック・リスナーにはキャッシュ初体験をもたらしたアメリカン移籍第1弾。アコギと歌だけで聴かせる〈枯山水〉的な風情が、逆に寡黙な情熱を感じさせる。プロデューサーのリック・ルービンにとっても転機となった逸品だ。

『American IV: The Man Comes Around』
American/Lost Highway(2002)

  生前最後のリリースとなった特大ヒット作。祈りと禍々しさが渦巻くヴァイブの切迫感は過去最高で、ジョン・フルシャンテらの演奏も最小限。フィオナ・アップルが天使声を添えたスピリチュアルな“Bridge Over Troubled Water”が素晴らしい! 静寂が暴れてる!!

『American V: A Hundred Highways』
American/Lost Highway/ユニバーサル(2006)

  愛妻ジューンを失った後も、死の間際まで録音に取り組んでいたという正真正銘の遺作。ノドの衰えさえも包み隠さず、恒例のカヴァーから最後の自作曲“Like The 309”までを穏やかに歌いきる。シナトラで知られる“Love's Been Good To Me”(副題はこの曲の詞から)が白眉。

OTHERDISCOGRAPHIC
ALBUM

『The Fabulous Johnny Cash』(1958)
『Hymns By Johnny Cash』(1959)
『Now There Was A Song!』(1960)
『Sings The Ballads Of The True West』(1965)
『Heart Of Cash』(1968)
『At San Quentin』(1969)
『A Man In Black』(1970)
『America』(1972)
『Any Old Wind That Blows』(1973)
『John R. Cash』(1974)
『Junkie And The Juicehead Minus Me』(1974)
『Last Gunfighter Ballad』(1977)
『The Rambler』(1977)
『Silver』(1979)
『The Baron』(1981)
『Adventures Of Johnny Cash』(1982)
『Heroes』(1986)
『The Mystery Of Life』(1991)
『Unchained』(1996)
『American III: Solitary Man』(2000)
『My Mother's Hymn Book』(2004)... and many many more!

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