耳で聴いたピープル・トゥリー(2)
BOZ SCAGGS
『Silk Digrees』 Columbia(1976)
“君たちへ”が本作収録の名バラード“We Are All Alone”と似ているなんて説もありますが、さておき角松の紡ぐソフトでアーバンな雰囲気はボズ直系。そんなこんなで、角松は〈布施明は日本のボズ・スキャッグスだ〉と語り、実際に〈日本のボズ〉のプロデュースを手掛けていたことも。ダンディーすぎです!(山西)
EARTH, WIND & FIRE
『ALL 'N ALL』 Columbia(1977)
角松のLA録音作『WEEKEND FLY TO THE SUN』を丸ごとアレンジしたのは、EW&Fの本作などで知られるシカゴの名匠=トム・トムさん! そこにアル・マッケイとフェニックス・ホーンズまで招いたらほとんどEW&Fです(特に“BRUNCH”の柔らかな蒙昧感!)。アルのプレイが角松のギターに与えた影響もデカそうだ。(出嶌)
MILES DAVIS
『Agharta』 Columbia(1975)
〈凍結〉中の角松が高度で自由な演奏力の発露を求めて結成したバンドが、引退を控えた帝王マイルスの本ライヴ盤から名を取っているのは偶然じゃないはず。帝王の〈解凍〉を助けたのがマーカス・ミラーだという言わずもがなの奇縁もある。ちなみにPANGAEAというバンドを角松が結成したという話は、まだ聞かない。(出嶌)
はっぴいえんど
『風街ろまん』 東芝EMI(1971)
角松は小学生ではっぴいえんどを同時体験。彼らを知ることにより、そこから派生したティン・パン・アレー~ナイアガラ流れの良質なポップスの系譜を追えた事実も彼にとっては大きいはず。そのお礼にか『SPECIAL LIVE '89.8.26』では、はっぴいえんど~ティン・パン・アレーの名曲群をカヴァー。(北爪)
しゃかり
『コドウ』 チキナー(2005)
シングル“Smile”で角松のお相手役を務めた千秋さんは、元ディアマンテスのメンバーであり、現在はギタリストの嘉手苅勝らと結成したユニットで沖縄を拠点に活躍中のシンガー。琉球音楽特有の懐深さと伸びやかな彼女の歌声は、女性ヴォーカル・キラーならずとも骨抜きにされてしまいます。(山西)
小室哲哉
『THE GREATEST HITS 小室哲哉作品集a』 avex trax
角松は米光美保、小室は篠原涼子、と東京パフォーマンスドールからのソロ・アクトをそれぞれが手掛けたという強引な共通点だけじゃなく、確固たる存在感を放つアーティスト活動とプロデュース業の両立という点だけじゃなく。……いや、別にイニシャルが同じだから挙げてるわけじゃないんですよ!(出嶌)
VARIOUS ARTISTS
『Kadomatsu T's Songs from L.A. -The Pops Covers Collection』 avex trax(2004)
80年代の角松ナンバーをLAのアーティストがカヴァーしたコンピ。トミー・ファンダバークやフル・ムーンのバジー・フェイトン、シカゴのジェイソン・シェフやジョセフ・ウィリアムズ(トトの三代目ヴォーカリスト)など、豪華メンバーが参加。AORやフュージョンへの造詣が深い角松本人にとっても感慨深い一枚なはず!(山西)
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