こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

特集

対談中に登場するトピックを補足解説!

【G・ラヴ】
ドクター・ジョンがピアノで参加しているアルバムとは(G・ラヴ&スペシャル・ソース名義の)97年作『Yeah, It's That Easy』のこと。それ以前からリバース・ブラス・バンドと共演するなどニューオーリンズ音楽への好奇心と敬愛を見せてきた彼だけあって、このたびリリースしたばかりのニュー・アルバム『Lemonade』(P81参照)でも元ミーターズのギタリスト=レオ・ノセンテリをゲストに招いていますね。

【ウルフルズ】
セカンドラインも含め、作品の隅々にソウル~ファンクの滋養を消化して聴かせるグループ。今年に入って10周年記念エディションも登場した『BANZAI』に収録の“大阪ストラット”は大滝詠一の“福生ストラット”(P57に掲載の『NIAGARA MOON』収録)を元にしたファンキーな一曲です。

【ブルース】
ニューオーリンズを拠点に濃密な80~90年代を送ったブルース・レーベルといえば、このたびドドッと(ジャケ未掲載のものも含めて)全12タイトルがリイシューされたブラック・トップ!! 地元のレジェンドであるスヌークス・イーグリンやアール・キングを迎え入れては積極的にアルバム・リリースを促し、一方ではテキサスのサックス奏者であるグラディ・ゲインズ、夫婦デュオのキャロル・フラン&クラレンス・ハラマンなど地元以外のさまざまなアーティストとも契約し、コッテリとソウルフルな名作を量産しました。まず1枚チェックするなら、スヌークスのヤバ盤『Baby, You Can Get Your Gun!』からどうぞ。90年代中盤の名品は次号の特集で紹介します!

▼ブラック・トップのリイシュー作品を一部紹介。

【サッチモ】
ニューオーリンズからシカゴ~NYへと渡ったジャズの巨人、ルイ・アームストロング(1901~71)の愛称。由来については〈Satchel Mouth(ガマガエルの口)〉など諸説あります。ニューオーリンズの貧しい黒人居住区に育った彼は、少年院のブラス・バンドで教わったコルネットをきっかけに楽器演奏を始め、やがてハーレムへと赴いてトランペット奏者/歌手として国民的な大スターに。“What A Wonderful World”や“Hello Dolly”は知らない人のいない世界的ヒットですね。ちなみに少年院送りになったのは、祭りで浮かれて拳銃を発砲してしまったから、というイイ話(?)もアリ。

【桑田佳祐】
彼が率いるサザンオールスターズには“Ya Ya(あの時代を忘れない)”という名曲がありましたが、61年のスマッシュ・ヒット“Ya! Ya!”といえばニューオーリンズR&Bの巨人、リー・ドーシー……って非常に強引な展開ですが、同曲を収録した翌62年の同名アルバムがこのたびリイシューされました! 契約の都合から名前を出していないアラン・トゥーサンが実質的なプロデュースを手掛け、アール・キングらも楽曲提供したノヴェルティー感の強いファンキー・ポップが楽しめます。ちなみに同作をリリースしたのはハーレムのレーベル=フューリーですが、その傍系にあたるスフィア・サウンドが65年に発表したボビー・マーチャンの『There's Something On Your Mind』も同時リイシュー! こちらもコミカルなニューオーリンズR&Bの傑作です。

【ザリガニ】
ガンボなどと並ぶ代表的なニューオーリンズの郷土料理は、ザリガニ(Crawfish)料理。世界で収穫される食用ザリガニの9割以上が、ニューオーリンズを含むルイジアナ州で消費されているとのこと! 香辛料といっしょに赤く茹で、レモンを絞って食するのが一般的なようです。

【スーザホーン】
またはスーザフォン。アメリカの作曲家、ジョン・フィリップ・スーザ(1854~1932)によって考案された大型の低音金管楽器。野外での立奏に適した設計で、パレードやマーチングなどのほか、デキシーランド・ジャズなどに用いられる。なお、膨大な行進曲を作曲したことから〈マーチ王〉の名を欲しいままにしたスーザさんの代表曲は、アメリカ合衆国のナショナル・マーチである“Stars And Stripes Forever”となるでしょう。

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2006年08月17日 11:00

更新: 2006年08月17日 22:07

ソース: 『bounce』 278号(2006/7/25)

文/轟 ひろみ

インタビュー