ニューオーリンズ音楽は時代を超えて(2)
ニューオーリンズは干物!?
――皆さんのニューオーリンズ音楽との出会いは?
高田漣「最初はドクター・ジョンの『Gumbo』ですね。おじさんがライヴハウスをやっていて、行くたびに良さそうなヤツを30枚ぐらいずつもらって帰るようになって。最初は全部同じように聴こえちゃって、何だかよくわからなかったんだけど、だんだんそのリズムに興味が出てきたんです」
――そこで感じたおもしろさって?
高田「リズムの歯切れの良さとか、聴いていてワクワクする感じとかかな。何より、聴いてて楽しいじゃないですか。いろいろあると思いますけど、ニューオーリンズものを聴いて深刻になることってあまりないし」
柳下武史(SPECIAL OTHERS)「僕の場合はギャラクティックを友達に薦められて、新宿までライヴを観に行って衝撃を受けたんです。そこからいろいろ興味が出てきて……聴いていて思うのは、演奏してる人の顔が音から見えてくるというか。人柄がそのまま音に出てるんですよね」
宮原良太(SPECIAL OTHERS)「俺はまずG・ラヴを好きになって、〈あのリズムって何だろう?〉って思うようになった。G・ラヴはセカンドラインの曲もあるし、ドクター・ジョンが参加してたりしたんで。あと、俺もギャラクティックのライヴを観て、目からウロコが落ちたんですよね。スタントン・ムーアの訛りのあるドラムが大好きで。あと、マーチング・バンドもカッコイイんですよね。歩きながら演奏してるだけで、上手ではないんだけど、プロもアマチュアも隔たりがない。みんな音楽が好きでやっている感じがして」
金宮たすく(cutman-booche)「知らん親父が空き缶で参加してたり(笑)」
宮原「そうそう(笑)。ウマすぎないとこに温かみを感じる」
たすく「僕は最初ウルフルズや憂歌団を聴いてたんですけど、その流れでドクター・ジョンを聴くようになって。あと、宮原くんも言ってたG・ラヴのドラムがめっちゃ好きなんやけど、〈このドラムは何やろ?〉って思ってたらニューオーリンズの人だったりして。ブルースには哀愁があるんだけど、ニューオーリンズには底抜けの陽気さがあって……ブルースがスルメやったらニューオーリンズは干物っちゅう感じ(笑)」
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