耳で聴いたピープル・トゥリー(2)
SCISSOR SISTERS
『Scissor Sisters』 Polydor(2004)
彼ら自身はビー・ジーズやエルトン・ジョンからの影響を公言してますが、妖しげな両性具有感とシアトリカルな佇まい、そして有機的なシンセのノリを活かした直球のポップ・メロディーはPSB直系! ピンク・フロイドをディスコ・カヴァーしたりする下世話さも似てるし、NY産ながらUKでブレイクしたのにも納得ね。(出嶌)
UNDERWORLD
『1992-2002』 V2
心広く、大きな目で見れば共にダンス・ミュージックということで。淡々と歌うカール・ハイドとニール・テナントのヴォーカルも、ニューウェイヴを通過したユニセックス風味が漂っていて似ていると言われればそうかも。ニール自身も“Born Slippy”を聴いて近いモノを感じたようで。立ち位置は違えど隣同士か。(池田)
KYLIE MINOGUE
『Light Years』 Parlophone(2000)
カイリー復活のカギは、大ヒット曲“Spinning Around”を引っ提げてディスコ路線回帰を表明した本作にあったわけですが、彼女に〈気取るのはヤメて、ディスコに戻んなさいよ!〉と薦めたのは他ならぬPSBだったそう。楽曲を提供したり、ゲストに招いたり、具体的な共演もある仲良しさんです。(出嶌)
平井 堅
『バイマイメロディー』 DefSTAR(2006)
レインボーなジャケも眩しい最新シングルは、キャッチーなメロディーと軽快なビート感があの“POP STAR”を彷佛とさせる爽やかサマー・ポップに。それ以前からも、哀愁すら漂わせた旋律の美しさとダンス・トラックへの配慮をサラリと両立させてきたあたりはまさにPSBと相通じる部分でしょうね。(出嶌)
THE SMITHS
『The Queen Is Dead』 Rough Trade/Wea(1986)
PSBがメジャー・デビューした年に頂点を極めたスミス。エゴをムキ出しにしたモリッシーのナルシスティックなスタイルと、クールにダンスしたペット・ショップは対極的だが、独特のシニカルな視点にはやはり共通するものがある。そんな両者を華麗にバックアップしたジョニー・マーは最大の理解者かもしれない。(池田)
ALEXANDER ROBOTNICK
『The Disco Tech Of... Alexander Robotnick』 Yellow(2004)
クリスとニールが出会い“West End Girls”でブレイクするまでの81年から84年は、イタロ・ディスコ黄金期とモロに符合! クラウディオ・シモネッティのロマンティシズムあたりに共通項がありそうですが、ロボ先生がアシッド前夜に鳴らした変態ベースも2人を大いに刺激したことでしょう。(原田)
EMINEM
『Encore』 Shady/Aftermath/Interscope(2004)
ゲイ蔑視を繰り広げた暴言大王にエルトン・ジョンがキレたのに対し、もっとスマートに対応したのがPSB。ファンの少年が〈某白人ラッパー〉とロマンティックな一夜を共にするという設定の“The Night I Fell In Love”にて、〈彼は凄くステキだった〉と歌ってみせた。これにはエミネムも深々と頭を垂れるしかなく……。(出嶌)
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