気になるアーティストが目白押しのNY最新ディスクガイド!(2)
MELLOWDRONE 『Box』 Red Ink/Columbia(2006)
NYはヴェルヴェット・アンダーグラウンドに端を発する陰鬱なアート・ロックの聖地だが、彼らはまさにその末端に位置する存在と言えるだろう。UKポスト・パンク勢やレディオヘッドからの影響を色濃く感じさせるが、その根底にはNYの腐の瘴気が立ち込めている。(冨田)
JOAN AS POLICE WOMAN 『Real Life』 PIAS/HOSTESS(2006)
アントニー&ザ・ジョンソンズで活動するヴァイオリニスト、ジョアン・ヴァッサーのソロ・ユニット。マルチ・プレイヤーぶりを発揮しつつ、不思議な官能を漂わせた歌声が素晴らしい。ジェフ・バックリーの恋人だったという噂アリ。(村尾)
ASOBI SEKSU 『Citrus』 Friendly Fire(2006)
日本人ヴォーカリストのユキ・チクダテ率いる4人組の2作目。思いっきりマイ・ブラディ・ヴァレンタインなノイズ・ギターとキュートな歌声の組み合わせは中毒性たっぷりで、増殖中のシューゲイザー・チルドレンのなかでも突出した個性を感じさせます。この人たちヤバイかも!(白神)
STELLASTARR 『Harmonies For The Haun-ted』 RCA(2005)
NYシアトリカルの復権をインターポールと共に担い、NYとUKの融和に先鞭を着けた彼ら。結果はご覧のとおり、さまざまなNY発アート・パンク・バンドが誕生するに至った。不器用な立ち位置に甘んじているが、決して忘れてはならない存在である。(冨田)
MORNINGWOOD 『Morningwood』 Capitol(2006)
モーニングウッド=朝の樹木=男性の寝起きの生理現象というハイセンスな下ネタと、朝でなくともウッドをモーニングさせてしまうNYっ子、シャンタルちゃんのセクシー・ヴォイスがもうタマランチ! 鬼才、ギル・ノートンのプロデュース・ワークも光りまくりです!(冨田)
ONEIDA 『The Wedding』 Jagjaguwar(2005)
ライアーズあたりのポスト・ロック勢と共振しつつ、アニマル・コレクティヴに通じるフリーキーさもありと、まさにNY地下音楽のド真ん中を行くバンド。本作ではストリングスを大胆に採り入れて、歪んだウォール・オブ・サウンドが生み出すミラクル・サイケを披露。(村尾)
BATTLES 『EP C/B EP』 BEAT
ブルックリン地区が現在のロック・シーンにおいて最強である理由のひとつ、それはこのバトルズを擁するということだ。ポスト・ロック? マス・ロック? 人力ハード・ミニマル・テクノ? カテゴライズ不可能で、無限の可能性を感じさせる現代最高峰の音職能集団。年内には新作のウワサも?(冨田)
LIKE YESTERDAY 『More Courage Than Most』 Bandha(2005)
〈NYが生んだ究極のレディオヘッド・チルドレン!〉と言われているが、胸に突き刺さるメロディーと90年代ポップ・パンクからの影響を感じさせる独特のサウンドを耳にすれば、彼らの底知れぬ才能を思い知らされるはずです。大化けする前にチェックすべし!(白神)
THE REDCOATS ARE COMING! 『Sermon Of The Wolf』 Klee(2006)
パリのカタコンベ(地下墓地)で知り合った女の子3人組が、〈音楽を完全な官能的体験に変えること〉をめざしてバンドを結成。少女が夢見たダーク・ファンタジーを、美しいハーモニーと音響で紡いでいく。ココロージーの妹的な雰囲気もあり。(村尾)