こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

特集

耳で聴いたピープル・トゥリー(2)

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2006年06月15日 12:00

更新: 2006年06月15日 18:35

ソース: 『bounce』 276号(2006/5/25)

PHIL SPECTOR
『A Christmas Gift For You from Phil Spector』
 Universal(1963)

  ウォール・オブ・サウンドで60年代に一時代を築いた天才プロデューサー、フィル・スペクター。彼を信奉していたビリーは、名曲“Say Goodbye To Hollywood”でフィルがLAからNYに移り住み成功を収めたことを歌っています。いかに影響を受けたかが曲にたっぷりと滲み出ているわけです。(冨田)

佐野元春
『Heart Beat』
 エピック(1981)

  〈ガラスのニューヨーク〉ならぬ〈ガラスのジェネレーション〉で幕を開ける元春の2作目。ジャケットに写る元春のファッションも含め、ニューヨーカーを気取った当時の若者たちには、ビリーの諸作品ともども必携のトレンド・アイテム。“バルセロナの夜”は、〈素顔のままで〉を想起させるポップ・ナンバー。(久保田)

LOOK
『LOOK ゴールデンJ-POP THE BEST』
 ソニー

  日本のヒット曲のなかに登場するビリー・ジョエル。たとえば、LOOK唯一のヒットとなった85年のバラード“シャイニン・オン君が哀しい”には〈オンザロック一息に飲んで忘れよう Sing a Song of Billy Joel〉という一節がありますが、主人公が酔いどれながら聴いていたのはきっと“Honesty”でしょう。(久保田)

BOB DYLAN
『The Times They Are A-Changin'』
 Columbia(1964)

  ディランに憧れて同じレーベルと契約したり、『Billy The Best III』では念願のディラン書き下ろし曲を収録するなど、意外にも交流の深い2人。ディランのような激しさこそないが、ビリーがポリティカルなメッセージを発した『Nylon Curtain』には彼からの影響が見て取れる。(冨田)

BEN FOLDS
『Songs For Silverman』
 Epic(2001)

  デビュー当時は〈ニルヴァーナmeetsビリー・ジョエル〉なんて言われていたベン・フォールズ・ファイヴを経て、いまでは90年代が生んだもっとも偉大なピアノマンの名を欲しいままにしている彼。知的でユーモラスなキャラクター性が、ビリーとダブって仕方ない。(冨田)

HONESTY
『HONESTY』
 ファースト・エイド・ネットワーク(2004)

  FOEの會田茂一とGREAT3の高桑圭によるユニット、HONESTY。もちろん、その名前はビリーの78年作『52nd Street』に収められていた名バラードのタイトルから拝借したもの。百戦錬磨の〈オトナ〉ふたりが編み上げたダンディズム溢れるメロディーは、当然ながらその名前に恥じないものである。(久保田)

郷ひろみ
『君が泣ける場所になる』
 ソニー(2005)

  〈♪う~ばい~たくぅて~のばした〉って“Honesty”やん! 古くは“哀愁のカサブランカ”、近年では〈アチチ〉など邦訳ポップスの達人にして、NYの街を愛するひろみだけに、この最新シングルも一瞬カヴァーのように聴けてしまいました。そういや“逢いたくてしかたない”にも似た節回しがあったな。(出嶌)

ROCKY IV
『Soundtrack』
 Scotti Bros.(1985)

  貧乏時代にはボクサー稼業で生計を立てていたという説もあるビリー。片や三流の俳優だったシルヴェスター・スタローンは、〈イタリアの種馬〉ことロッキー・バルボアを演じたことで、ビリーと時を同じくしてブレイクを果たしている。成り上がりぶりや女癖の悪さはもちろん……顔が似てるっていうだけじゃダメかね?(出嶌)

インタビュー