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特集

TAKADA WATARU 耳で聴いたピープル・トゥリー

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2006年05月18日 11:00

更新: 2006年05月18日 20:28

ソース: 『bounce』 275号(2006/4/25)

文/加賀 龍一、ダイサク・ジョビン

高田渡をめぐる音楽の果実は、ここに一本のトゥリーを生んだ

辻村豪文(キセル)

  「渡さんの音楽は僕にとってコンパスみたいであって、今の自分は大丈夫かなぁと思ったりしながら聴いてます。前に泥酔してはる隙に詩のことを尋ねたら、〈良い詩というのは人生と共に変化する〉と言ってはりましたが、そんな詩のついてる渡さんの音楽はきっと誰にとってもそうで、この世に生き物みたいに在る気がします。また叱られたりしたいです。怖いけど」

ハナレグミ
『帰ってから歌いたくなってもいいようにと思ったのだ。』
東芝EMI(2004)

  高田渡も文学&音楽的に濃ゆい中央線文化の顔役のひとりであるが、それを正統的に継承しているひとりとして彼は外せない。叙情的な世界観にじんわり温まるヒューマンなフォーク・ミュージックの手触りと歌声。高田漣の参加も必然でしょ。(ジョビン)

サンボマスター

  「近藤君の家で聴いたフォークジャンボリーのレコードの武蔵野タンポポ団で初めて知って。“赤土の下で”っていう加川良さんの曲をやっていて、それがすげぇ良いんだよね。そこで最高だなって思いましたね」(山口隆)
  「高田渡は異彩を放っていましたよね。ギラついているというのとは別の輝き方をしていましたね」(近藤洋一)
  「サークルの合宿で山ちゃんが“自衛隊に入ろう”をやってて。深刻な人と思ってたら実際はもっと軽やかで。そのイメージとのギャップが良かったです」(木内泰史)

おおはた雄一
『ふたつの朝』
 ワーナー(2006)

  共演経験のある高田漣いわく「もっとも親父に感覚が似ている」という新世代ブルースマン。軽やかに吹き抜ける風を思わせる飄々とした佇まいに、朴訥ながらも滋味深いギター・サウンドと歌声によって、心を激しく揺さぶるその音楽はまさに渡フォロワーといえる。(ジョビン)

真島昌利
『夏のぬけがら』
メルダック(1989)

  ブルーハーツ~ハイロウズのマーシーも武蔵野キッズのひとり。ということで、特にこのソロ1作目では、胸に染み込む緩やかなフォーク・サウンドに乗せて、ユーモアあり反逆心あり、強がりやひ弱さも曝け出した高田渡譲りの詩を叙情的に綴っている。(ジョビン)

福島康之(バンバンバザール)

  「電話で〈君はVEGAの長首のバンジョーを持ってるね?〉と吉祥寺に呼び出し。〈これは安い物だな……貸しませんか?〉と嬉しそうにバンジョーの腕前を若僧の僕に披露してくれた。〈君、楽屋話をステージでしちゃ駄目、同じことでも毎日違う人が観てるんだから〉と、酒に酔いながら真っ直ぐな言葉を。いつ会っても僕には再発見ブルースマンみたいに見えました」

真心ブラザーズ

  「昔TV番組でセッションさせてもらいまして。渡さんが〈僕リズム適当だからやりづらいでしょ?〉って確かにヨロヨロのリズムなんだけど、乗っかれるんですよ。アコギの奏法とリズムも凄い上手い。いまだからこそもう一回セッションしてみたいですね」(桜井秀俊)
  「津川雅彦並みのオーラが出てましたよ(笑)。でも可愛らしい人なんですよね。あのときは僕らの度量が足りなかったんだけど、いまやったらもっと凄さがわかると思うんだけどね。聴き直すほど凄いなって思うんだよね」(YO-KING)

THE BOOM
『シングルス・プラス』
 ソニー

  名曲“中央線”からもわかるとおり、中央線フォーク・フォロワーを代表するひとりがTHE BOOMの宮沢和史。自他問わず、〈詩を歌う〉ことに強い意識を持っているところは渡さん直系ともいえる。デビュー当初のライヴでは、高田渡ナンバーもカヴァーしてました。(ジョビン)

曽我部恵一
『LOVE LETTER』
 ROSE(2005)

  中央線ならぬ井の頭線キッズの彼だが、本作では学生時代の体験を綴った“吉祥寺”を収録。ライヴでこの曲を演奏するときに本人も渡さんのことを語っていたように、ただひっそりと日常的に吐露する言葉の先には吉祥寺の街と、そこに住む渡さんの姿があったはずだ。
(加賀)

コザック前田(ガガガSP)

  「高田さんはお酒が好きな人だった。映画〈タカダワタル的〉を観たときも〈この人大丈夫か?〉と思った。そういう僕も高田さんに負けず劣らず酒飲みである。しかしながらあのように心とアルコールが一体となったような幸せな顔をしながらお酒を飲めてはいない。春になっては飲み、夏になれば飲み……僕もいつかあんな顔して飲めたらいいなあと思っています」

原田郁子
『ピアノ』
 コロムビア(2004)

  お互い影響を受け合ったという矢野顕子と渡さん、現在のシーンでダブるのは郁子ちゃんとハナレグミこと永積くん? この初ソロ作でのゆったりしたタイム感や、ほのぼのしつつもクリアな感情表現に溢れる歌世界に触れているとそんな妄想も。高田漣もバックアップ。
(ジョビン)

三宅洋平(犬式)

  「〈あれが武蔵野タンポポ団だった高田渡だ〉。僕が19歳のときにバイト先である吉祥寺のライヴハウスで紹介されたおっさんは、〈いかにもバランス良く真っ向から世を外してきた仙人だな〉と思わせる風貌をしていた。その後も数回バイト先でライヴを観た。氏が誕生日である正月からライヴをやるときには、即座にシフトを外したのをいまでも覚えている」

渋さ知らズ
『自衛隊に入ろう』
 地底(2004)

  フォークだけでなくフリージャズも中央線が育んできたアートフォームで、そこに共通するのは〈自由〉とそれを脅かすものに対しての〈反逆〉。渡さんのバックも務める片山広明らによるこの祝祭集団は、イラク戦争への反対表明として “自衛隊に入ろう”を力強くカヴァー。(ジョビン)

どんと
『DEEP SOUTH』
ゴマ(1997)

  ボ・ガンボス解散後にソロに転じた彼は、いっしょにライヴをやったり、曲をカヴァーしたりと、渡さんへの尊敬の念を表していた。岐阜出身~京都で音楽活動をスタートという自分と同じ経歴を持っていたからか、渡さんは彼のことを人一倍可愛がっていたそうな。(ジョビン)

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