ストーンズ流ディスコは他とは一味違うんだぜ!
ストーンズが大胆にディスコ・サウンドを導入して全米1位を奪取した“Miss You”。時流に目を配ったといえばそれまでだが、ここでは少し別の視点で考えてみたい。映画「サタデー・ナイト・フィーバー」の公開によって爆発的なブームを迎えたディスコだが、同作の主人公は白人、サントラも白人グループのビージーズが手掛けていることからもわかるとおり、黒人音楽の系譜に位置しつつも、ブームの火種となったのは白人の仕掛けに依るところが大きかった。真の黒人音楽に憧憬しながら我流の〈黒道〉を歩んでいたストーンズは、このブームを逆手にとって“Miss You”を作ったのではないだろうか。だからして同曲は十分に黒くブルージーに仕上がっているのである。同じようにディスコを取り上げたロック・バンドでも、キッスの“I Was Made For Lovin' You”やブロンディの“Call Me”などとは、アプローチの仕方がだいぶ異なるように思えて興味深い。
▼文中に登場したアーティストの作品を紹介
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