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特集

耳で聴いたピープル・トゥリー(2)

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2006年04月20日 13:00

更新: 2006年04月20日 18:15

ソース: 『bounce』 274号(2006/3/25)

耳で聴いたピープル・トゥリー その2

RONI SIZE REPRAZENT
『In The Mode』 Talkin' Loud/Mercury(2000)

  ブリストルのジャングル・シーンから登場したロニ・サイズは、マッシヴ同様にブリストルの黒い血を受け継ぎ、ドロリとしたブレイクビーツ・ミュージックを作り続けてきた。彼の作品のなかでもヒップホップ志向の強い今作は、その血の濃さを明確に打ち出したもの。ゆえに、マッシヴと共振する部分も多い。(大石)

HIROSHI FUJIWARA
『REMIXES』 ビクター

  MAJOR FORCE盤がほとんど廃盤(えっ?)のようなので、こちらを紹介。90年代のソロ曲のリミックスを集めた編集盤で、幽玄なる“Hard Boiled Dub(Mil'o's Natureboy Remix)”などマイロのトラックを数曲収録。柔らかな歌志向へと移っていくこの後の道程も含めて、ワイルド・バンチとは共振する部分が多い。(出嶌)

DAVID BOWIE
『Outside』 Arista(1995)

  ゴージャスな楽曲がひしめいたサントラ『Moulin Rouge』に収録の“Nature Boy”でマッシヴと合体。ダンディー・ヴォイスを分厚い音壁で阻まれても平気なのは今作でのイーノ仕事を経験したから? 作品ごとにコンセプトをガラリと変えるスタンスもマッシヴに受け継がれている……とまで書くと流石に強引だけどね。(出嶌)

SINEAD O'CONNOR
『Sean Nos Nua』 Hummingbird(2002)

  最新作ではどっぷりレゲエ色に染まってみせた彼女だが、エイドリアン・シャーウッドも関与したこのダビーなアイリッシュ・トラッド作のほうがマッシヴとの共通項を見い出しやすかったり。何をやっても冷ややかな感覚が残る……といったあたりがマッシヴ的だとも言える彼女は、『100th Window』にも客演。(大石)

DJ SHADOW
『Endtroducing...』 Mo'Wax(1995)

  2003年のマッシヴ来日公演では、何とも贅沢なサポート・アクトとして帯同していたシャドウ。もとより“Karmacoma(U.N.K.L.E. Situation)”などで絡みのあった両者だが、それよりも〈アブストラクト〉と称された音楽性を押し進めるのに、マッシヴらが切り拓いた新しい音楽フォームの存在は大きな助けになったはず。(出嶌)

G.RINA
『サーカスの娘』 ANGEL'S EGG(2003)

  ビガーブッシュやロブ・スミス、マッシヴ主宰のメランコリックからデビューしたアルファといったブリストル勢との親交でも知られる彼女。ヒップホップからダブまでをゴッタ煮にした作品性やそのDJプレイも含めて、いろんなスタイルを試すのではなく自己流に折衷して形成する精神性の部分が実にマッシヴ的だ。(出嶌)

RAZOR X PRODUCTIONS
『Killing Sound』 Rephlex/レーベル(2006)

  UKにおいてレゲエがどのように発展してきたか?を考える際の重要なサンプル。カッティ・ランクスらダンスホールDJを招いたブレイクコア/ジャングル/グライム作品で、『Blue Lines』がそうであったように、どうやってもジャマイカからは出てこなかったタイプのサウンドだ。ダディGあたりは興味を持ちそうだな。(大石)

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