UNFINISHED SYMPATHY サイド・ストーリーを紡いできたアーティストたち
マッシヴ・アタックの理念は、決して現在そう名乗っている人間によってのみ築かれていったのではない……それは、本文原稿を読んでいただければおわかりかと思います。ここではそんなマッシヴ史のサイド・ストーリーを語るうえで欠かせないアーティストを紹介していきましょう。まずはワイルド・バンチの創立メンバーであるDJマイロから。彼は東京に移り住んでDJ活動を開始し、90年代には高木完やELI+HIROSHIなどMAJOR FORCE関連のプロダクションで活躍。スチャダラパーの“トリオ・ザ・キャップス(DJ Milo Remix)”などはいまでもチェックしやすいはずです。その後NYに移った彼は、2003年に初のオリジナル・アルバム『Suntoucher』をリリースしています。
そしてマッシヴの2作目まで準メンバー的に関わっていたトリッキーももちろん重要。傑作『Maxinequaye』でソロ・デビューした彼は二アリー・ゴッドなどのプロジェクトも並行させながら、デカダンなイメージも手伝って別格的な支持を集めました。現在はアメリカ住まいで、近作はLA録音の2003年作『Vulnerable』。セルジュ・ゲンスブールのトリビュート盤(P99をチェック!)にも参加するなど、マイペースな活動を展開中です。他にもシャラ・ネルソンやカールトンがソロ・デビューを果たしていることは有名ですし、ニコレットが昨年復活していることも特筆しておきましょう。
▼文中に登場するアーティストの作品を一部紹介
シャラ・ネルソンの93年作『What Silence Knows』(Cooltempo)