2005年の名盤・定番はこれだ(その2)(2)
MOBY 『Hotel』 Virgin
高級感の漂うシンプルなトラックとやや耽美的なメロディーを組み合わせたらデヴィッド・ボウイになっちゃいました的な最高傑作。無機質な空気感と人懐っこくも温かいポップ感を巧みに合致させ、バンドを従えて歌いまくる姿からも、生まれ変わった彼の姿が窺い知れた。(狛犬)
OMARION 『O』 T.U.G./Columbia
鮮やかで見事な一本立ち。格段の成長を見せた歌唱力とフレッシュな色気で少女から熟女までを魅了したヒット・シングル“O”を筆頭に、漲るエナジーに圧倒されまくる初ソロ作にして傑作。豪華制作陣の狭間で光るコーナー・ボーイズの瑞々しい仕事ぶりも2005年のトピック。(佐藤)
POMERANIANS 『雑踏ダイバー』 BabeStar
彼らにとってレゲエやダブの手触りは決して浮世離れしたものでなく、半径数メートルの生活を歌うためにある。このメジャー・デビュー作での大らかな演奏、キュートといっていいほどのポップセンスは特筆すべき。手を伸ばせば、彼らの音がしっかりと掴めるはず!(駒井)
QUEENS OF THE STONE AGE 『Lullabies To Paralyze』 Interscope
2005年のロック・シーンはまさに〈知的〉な1年だった。なかでもこの手のパイオニア的存在であるジョシュ・オム率いる同バンドが上半期にリリースした本作は、その後1年のシーンの方向性を決定づけるものとなった。(山口)
テイ・トウワ 『FLASH』 V2
6年ぶりとなるソロ名義での本作は、どこを斬ってもテイ印が燦然と輝くワン&オンリーなスーパー・ポップ・ワールドに! カイリー・ミノーグや森高千里など、多彩なゲスト陣との共宴はどれも白眉モノの出来。(aokinoko)
YUSA 『Breathe』 Tumi
トレイシー・チャップマンやミシェル・ンデゲオチェロの系譜を感じさせるキューバ人女性シンガー・ソングライターの2作目。ブラジル・ロック界の寵児、レニーニとの共演を経て、今作ではコスモポリタンな才能がさらに開花した。(成田)
あふりらんぽ 『URUSA IN JAPAN』 キューン
音楽が溢れ返って逆に選べない、つまりは焼け野原に極めて近い状況下で踏み出す最初の一歩。〈まずはギターとドラムで遊んでみよう〉てなトライアルが、その暴力性も含めて、眠れる子供心をくすぐる奇跡の全13曲+DVD。(小野田)
AMERIE 『Touch』 Columbia
〈リッチ・ハリソンのクリエイティヴ・パートナー〉といった見方をされてきたエイメリーだが、今作におけるリル・ジョンとの絡みや、“1 Thing”の大ヒットを皮切りに、ようやくソロ・アーティストとしての名前とキャラが立ってきたのでは? 俄然次作 が楽しみに。(池谷)
the band apart 『quake and brook』 asian gothic
ハードコアの矛先を速さとテクニック、そして精緻なアレンジメントに託し、ディスコからポスト・ロックまでさまざまなジャンルを横断するように串刺してみせた男気の結晶。スマートでありながら部室臭漂う佇まいに入部希望者が殺到しました。(小野田)
CHEB BALOWSKI 『Plou Plom』 Kasba
アルジェリア系のメンバーを擁し、7か国語を駆使して過激なメッセージを展開するチェブ・バロウスキが放った今作で、バルセロナ発のメスティサッヘ(混合)音楽の懐の深さを再確認。ヨーロッパの伝統音楽をライといっしょにグツグツ煮込んだ感じ!?(本橋)
ELLEGARDEN 『RIOT ON THE GRILL』 GROWING UP/Dynamord
その音楽性のみを考えた時、メロディックなパンクがポップスとして十分機能することはサム41やブリンク・182といった海外のバンドを引き合いに出すまでもなくあきらかだが、日本におけるその最良の実践者が彼らである。(小野田)
- 前の記事: 2005年の名盤・定番はこれだ(その2)
- 次の記事: 2005年の名盤・定番はこれだ(その2)(3)
カテゴリ : スペシャル
掲載: 2005年12月29日 13:00
更新: 2005年12月29日 17:47
ソース: 『bounce』 272号(2005/12/25)
文/aokinoko、青木 正之、粟野 竜二、池田 謙司、池田 貴洋、池谷 昌之、石田 靖博、稲村 智行、大石 始、小野田 雄、加賀 龍一、北爪 啓之、郡司 和歌、ケチャ、小高 麻子、小林 由果、駒井 憲嗣、狛犬、斉藤 ジョゼ、櫻井 誠、佐藤 ともえ、白神 篤史、ダイサク・ジョビン、高橋 荒太郎、高橋 玲子、出嶌 孝次、冨田 明宏、成田 佳洋、堀内 幸江、まちだ ゆうき、Masso187 um、本橋 卓、山口 コージー、山西 絵美、ヤング係長、リョウ 原田、渡辺 雄作