耳で聴いたピープルトゥリー(2)
MARILYN MANSON
『Smells Like Children』 Nothing/Interscope(1995)
パティはジーザスや敬愛するジャクソン・ポロック、ジミ・ヘンドリックスのことを〈革命者〉という意味を込めて〈ニガー〉と呼ぶが、性を超越した存在としてロック・シーンに君臨するマリリン・マンソンも、そんな彼女の思想と力強い女性性に惹かれて“Rock N Roll Nigger”をカヴァー。(冨田)
BJORK
『Debut』 Polydor(1993)
ロックと女性との関係というだけではなく、そこにさまざまな〈表現〉を注入していった点でも、ビョークはパティの姪っ子的存在かもしれない。パンク~ニューウェイヴを経由して、新しい世界に挑んだ本作。そのアートワークはパティの一連のジャケにも負けない、個性溢れるポートレートが印象的。(村尾)
JULIETTE&THE LICKS
『You're Speaking My Language』 Fiddler(2004)
ストゥージズとプリテンダーズ、そしてパティ・スミスを愛し、女優としてキャリアをスタートしながらも、バンドも始めてしまったジュリエット・ルイス。その激しいシャウトを聴けば、クリッシー・ハインドというよりも、まんまパティ。H2Oのトッド・モーズが、しっかりサポートしてます。(村尾)
NATALIE MERCHANT
『Retrospective 1995-2005』 Rhino/Elektra
CMJチャートの常連バンド、10,000マニアックスに在籍していたころ、『MTV Unplugged』で“Because The Night”を披露したナタリー。作者のブルース・スプリングスティーン、そしてカヴァー・ヒットさせたパティへの想いを込めて歌ったナタリーは、両者の詩人としての魂にリスペクトを捧げた。(村尾)
THE DISTILLERS
『The Distillers』 Epitaph(2000)
ランシドのティム・アームストロングの嫁さんだったブロディ率いるディスティラーズは、デビュー・アルバムで“Ask The Angel”をカヴァー。その後ブロディはパティの〈恋多き女〉っぷりまでカヴァーしたのか、ティムに別れを告げてクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのジョシュ・オムに乗り換えた。(冨田)
PJ HARVEY
『Uh Huh Her』 Island(2004)
爆竹のような人。ではあるが、ただただ生きることに真剣であり続ける人なのである。だから似ないはずがないわけで、パティのロックと。サウンドの中に自分の体臭を塗り込ませる術を熟知している点も同様にである。〈血が出るまで擦れ、リアルなロックをモノにしたいなら〉とシャウトを繰り返す人生、ハードだ。(桑原)
MORRISSEY
『Live At Earls Court』 Attack/Sanctuary(2004)
ナヨナヨした文学青年臭さでは他の追随をまったく許さないモリッシーだが、そんな彼も〈マリア様が見てる〉よろしく、パティの力強いお姐様っぷりに昔からメロメロ! シングルのカップリングやライヴ盤にも収録されている“Randondo Beach”のカヴァーでは、パティへの強い憧れを感じさせる。(冨田)
- 前の記事: 耳で聴いたピープルトゥリー