パティを取り囲む男たち GETTING CLOSE TO YOU
パティ・スミスの詩が掲載されているロバート・メイプルソープの写真集「Flowers」(Schirmer/Mosel)
ROBERT MAPPLETHORPE
80年代を代表する写真家。自主制作盤『Hey Joe /Piss Factory』の資金集めに協力するなど、初期パティの創作活動を全面的にバックアップした人物。なにより、『Horses』のジャケを手掛けたことはあまりにも有名。89年にエイズのため死去。
ブルー・オイスター・カルトのベスト盤『Don't Fear The Reaper』(Columbia)
ALAN LANIER
ハード・ロック・バンド=ブルー・オイスター・カルト(BOC)のキーボディスト。74年頃からパティと同棲生活を始める。ちょうどその頃、歌を歌い始めたパティに歌唱指導を行ったのがこのアラン。また、『Horses』に収録されている“Elegie”を共作しているほか、パティもBOCに歌詞を提供している。
TOM VERLAINE
テレヴィジョンのヴォーカリスト/ギタリスト。パティがアランの次に同棲した人物であり、当時パティは彼のことを〈ロックンロールの世界でいちばん美しい首を持つ男〉と表現している。『Horses』でギターを弾いているほか、共同で詩集も出版。別れた後も『Gone Again』などに顔を覗かせている。
MC5の69年作『Kick Out The Jam』(Elektra)
FRED“SONIC”SMITH
元MC5のギタリスト。パティの最愛の夫であり、パティの人生そのものに変化をもたらした人物。ジミー・アイオヴィンと共に『Dream Of Life』のプロデュースを手掛けているほか、『Gone Again』の収録曲にも彼の名前がクレジットされている。94年に心臓発作のため死去。
OTHERS
パティのまわりはいつだって才能溢れる男たちで溢れていますが、なかでもまず浮かぶのはレニー・ケイ。後にパティ・スミス・グループのギタリストとしても名を馳せる彼は、パティのポエトリー・リーディングのバックでギターを弾いていたことも。レコード屋で出会って以来、パティが絶大な信頼を寄せる男性のひとりなのです。続いては、ジム・キャロル。ドラッグのリハビリ治療中にパティから寄せられた手紙や電話に感激して、自身の著書でその時の様子を綴っています。また、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのオリジナル・メンバーであるジョン・ケイルには『Horses』のプロデュースを依頼し、ブルース・スプリングス・ティーンとは“Because The Night”を共作。一見グルーピーのようなパティの振る舞いですが、それもこれもパティの魅力あっての話。ジョナサン・リッチマンにボブ・ディラン、劇作家のサム・シェパード(元カレ)、ジェフ・バックリーやルー・リードなどなど、錚々たる面々をパティは虜にしてきたわけです。
▼ジャケは登場順に
ジュム・キャロルの著書「ダウンタウン青春日記」(晶文社)
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