こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

特集

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2005年12月15日 12:00

更新: 2005年12月22日 18:41

ソース: 『bounce』 271号(2005/11/25)

文/池田 貴洋、高橋 荒太郎、出嶌 孝次、Masso 187um

EMINEM
『Curtain Call』
 Shady/Aftermath/Interscope/ユニバーサル(2005) 過労の末の睡眠薬摂取が祟ってツアーを途中降板するなど、みずから否定した〈引退説〉の外堀を埋めていくような動きが目立つエミネム。『Encore』に続くベスト盤がこのタイトルというのも……思わせぶりなエム一流のトリックだと思いたい。現時点では未聴ながら、ドクター・ドレーによる新曲も収録されているぞ!(出嶌)

KANYE WEST
『Late Registration』
 Roc-A-Fella/Def Jam(2005) プロデューサーとしての印象が強かったカニエだが、いまやジェイ・Zや50セントとも肩を並べる人気ラッパーとして君臨し、ブッシュ批判も大きくスクープされるなど、その影響力は計り知れず。このセカンド・アルバムも余裕で全米を制し、レイ・チャールズ曲を用いたジェイミー・フォックスとの“Gold Digger”も特大ヒットを記録中。(池田)

DAVID BANNER
『Certified』
 Big Face/SRC/Universal(2005) コリパーク仕事のイヤラシイ先行カット“Play”でツカミはバッチリだったが、アルバムも予想以上の高水準。持ち前のゴツめなクランク・チューンの充実だけでなく、緩急の緩のパートもおもしろく、ジャジー・フェイ作“Fucking”やケイスとのジョイント“Thinking Of You”あたりのメロウ路線で、さらにファン層を広げそうな予感。(Masso)

VARIOUS ARTISTS
『DJ Squeeky Presents Mo' Chedda Mobstaz Part 2』
 Mo' Chedda(2004) このたびリル・フリップの新作にプロデュース参加しているDJスクィーキー。知られていない名前かもしれないが、97年に『On A Mission』でデビューして以来、コンスタントにリリースを重ねるラッパーでもある。舎弟連中を引き連れたこのコンピでも巨躯そのままに間延びした語り口が絶妙だ。(出嶌)

DJ QUIK
『Trauma』
 Mad Science/Fontana(2005) サウンド職人としてのセンスの高さを長いキャリアのなかで十分に証明してきているDJクイック。独特の瑞々しいファンク・グルーヴは毎回リスナーの耳を虜にするものだが、この最新作では名物〈Quik's Groove〉も第7弾として継続され、そこにジョデシィを迎えるというサプライズもアリ。西に限定することなく、幅広いゲスト参加も刺激的な好盤。(高橋)

DAZ DILLINGER
『Tha Dogg Pound Gangsta LP』
 Gangsta Advisory(2005) コラプトとのリユニオンも話題のダズは2タイトルのソロ作をリリースし、ラッパーとしての確かな技量をアピール。こちらはスムースでメロディアスなウェッサイ・ファンクが聴ける(もう1枚はクランクがテーマ)作品だが、こういう作品を聴くと昔のようにプロデュース・ワークもドシドシ手掛けてほしいと思ってしまいます。(出嶌)

SQAD UP
『Now Or Never』
 Sqad Up(2004) キャッシュ・マネーのローディー時代にリル・ウェインに見い出されたものの、喧嘩別れして独立したスカッド・アップ。被災したため現在はヒューストンに拠点を移し、先頃リル・フリップのレーベルと契約を交わしたばかりだ。そちらからのリリースも待たれるが、この自主盤でのワサワサしたラフさと若気を丸出しにした荒っぽいラップは聴きモノ。(出嶌)


JUVINILE - WACKO - SKIP
『The Beginning Of The End...』
 UTP/Rap-A-Lot 4 Life(2004) ジュヴィナイル率いるUTP軍団が生み出した起死回生の傑作アルバム! ビッグ・アンセムと化した“Nolia Clap”を筆頭に、凄まじくルーズな軟体マイクリレーとアイデア豊かなクラッピン・バウンスだらけ。ワッコとスキップもジュヴィに劣らぬ持ち味を披露している。今作をスルーしておいてヒップホップを語るのはウソでしょう。(出嶌)

BIRDMAN
『Fast Money』
 Cash Money/Universal(2005) 〈ラップが下手〉などと言われながらも、いつの間にかラッパーとしての存在感が当然のように備わってきたバードマンことベイビー社長。この手の作品はトラックとラップのハマリ具合や、ゲットー臭たっぷりの雰囲気全体を楽しむべきもので、スキル面を批評するのはナンセンス。この男のアルバムがいつもカッコイイのも、そこに理由がある。(高橋)

B.G.
『The Heart Of Tha Streetz Vol. 1』
 Chopper City/Koch(2005) キャッシュ・マネー草創期のメンバーとして10代の頃から活躍し、ヒット曲“Bling Bling”の表題を流行語として定着させたBG。離脱後も快調にチョッパー・シティ産のストリート・ミュージックに徹底したこだわりを見せ続けている。独立後3枚目となる今作でも、彼の魅力であるルーズなフロウは相変わらず中毒性高め。(高橋)

WEBBIE
『Savage Life』
 Trill/Asylum(2005) ニューオーリンズではなく、近隣のバトンルージュに拠点を置くトリルもついにメジャー侵攻を果たした。このウェビーは独特の力強い軟体フロウを武器に躍進してきた若き注目株。本作でもマイペースは貫かれ、トリーナやマニー・フレッシュのアクの強さをもっとドロドロのアクで包み込むようなラップを聴かせる。相棒リル・ブージーの新作ももうすぐ?(出嶌)


CHOPPA
『Da Real Choppa』
 Body Head(2005) かつてはノー・リミットに在籍し、将来を嘱望されていたチョッパー。現在は(ボクシング世界王者の)ロイ・ジョーンズJrが率いるレーベルの若頭だ。スピード感を伴ってサクサクと聴かせるフロウは2年ぶりのこのアルバムでも堅調そのもの! なお、この表題は、バッド・ボーイに所属する同名のラッパーを意識してのことだろう。(出嶌)

MASTER P
『Ghetto Bill Vol. 1』
 The New No Limit/Koch(2005) ニューオーリンズの〈ゲットー・ビル・ゲイツ〉ことマスターPの最新作。スリム・サグやヤング・バックなど他エリアの旬な大物が参加している点からも、まだまだ彼に対するリスペクトが衰えていないことを感じさせるが、内容のほうも絶好調。確実に一時代を築いたオリジネイターとしての余裕と風格すら漂う力作!(高橋)

インタビュー