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特集

CHROME
『Straight To The Pros』
 Hypnotize Minds(2005)
  フレイザー・ボーイの別掲作にて抜擢され、マフィア本隊の新作でも大きくフィーチャーされていた新星が早くもアルバム・デビュー。男らしくガラガラしたラップのラフぶりはマフィア直系のものだが、アンダーグラウンド・アルバムらしいジメジメした空気にもピタリと馴染むキャラ立ちはなかなかのもの。今後が楽しみな逸材!(出嶌)

LIL' WYTE
『Phinally Phamous』
 Hypnotize Minds/Asylum(2004)
  南部には案外ホワイト・ラッパーが多いが、スリー6マフィア軍団に育てられたこのリル・ワイトはなかなかの逸材で、セカンド・アルバムにしてメジャー侵攻を果たしているのにも納得だ。ここでは粘り気のある語り口を中心に、ややエミネムっぽくもある斬れ味鋭いファスト・フロウも披露。すでに安定感十分の快作だ。(出嶌)

FRAYSER BOY
『Me Being Me』
 Hypnotize Minds/Asylum(2005)
  入れ替わりの激しいヒプノタイズ・マインズにおいて、リル・ワイトと共に急成長を遂げているフレイザー・ボーイ。バンBを彷彿とさせる野太いマフィア・スタイルを継承しつつ、サウンド面は若干のヒューストン風味も感じさせるスクリュード気味の曲が目立ち、メンフィスmeetsヒューストンなドス黒いグルーヴを聴かせる。(Masso)


VARIOUS ARTISTS
『Yo Gotti Presents The Black Out Squad Inevitable(2004)
  テネシーの対スリー6マフィア勢力に急先鋒?』
 ソロでもTVTと契約しているヨー・ゴッティが旗を振ったこのコンピには、ギャングスタ・ブー&ラ・チャットやキングピン・スキニー・ピンプ、ギャングスタ・ブラックら元マフィア構成員がズラリ。他にもよくわからん無名連中がドッサリ入って、地下シーンの熱さを窺わせる。(出嶌)

THREE 6 MAFIA
『Da Unbreakables』
 Hypnotize Minds/Columbia(2003)
  メンバーの相次ぐ離脱、プロジェクト・パットの逮捕という向かい風の時期ながら、それを微塵も感じさせなかった一枚。いまや引っ張りダコのDJポール&ジューシーJによるワン&オンリーなメンフィス・クランクがタップリで、リル・フリップ参加の“Ridin Spinners”やウィリー・ハッチ使いの“Testin My Gangsta”がヒット。(Masso)

YOUNG BUCK
『Straight Outta Cashville』
 G Unit/Interscope(2004)
  ナッシュヴィル出身でGユニット南部支部、と言われるだけに、同クルー関連作中ではもっともサウス・カラーが強く、ゲスト勢もリル・ジョン、T.I.、リュダクリス、リル・フリップらの人気アクトがラインナップ。それでいてGユニット・マナーの中毒性も兼ね備えており、その優れたバランス感覚が50セントの目に留まったのかも。(Masso)


8BALL & MJG
『Living Legends』
 Bad Boy/Universal(2004)
  古くからメンフィスを代表するデュオとして知られる大物中の大物が、ディディ率いるバッド・ボーイから初リリースしたアルバム。大物に相応しいゲスト陣は各地のトップクラスに加え、バッド・ボーイからも助っ人が参加。キャリアと実力に応じたバックアップを受け、改めてその逞しい存在感を見せつけたアルバムだ。(高橋)

JIM JONES
『Harlem : Diary Of A Summer』
 Diplomats/Koch(2005)
  急浮上してきたディプロマッツの裏番こそ、山師っぽさでいっぱいのジム・ジョーンズだ。膨大なミックステープに加え、早くも2作目のレギュラー・アルバムとなる今作ではディディとポール・ウォールを招くなど大物ぶりを見せつけながら、バカみたいにキャッチーなサウス風味の楽曲を連発。この享楽性がNYを牛耳る!?(出嶌)

JAY BEZEL
『The Philadelphia Beast』
 Diplomats/Sure Shot(2005)
  フィリー出身で、ジュエルズ・サンタナがバックアップしたディップセットの新進メンバー。ソロ名義では初となるこのミックステープでも、ベタついた個性的なフロウを武器に大仰でドラマティックなビートを喰い散らかしまくり。「ロッキー」の感動的なテーマを延々とループしたり、この胡散臭さこそがディプロマッツ!?(出嶌)

CAM'RON
『Purple Haze』
 Diplomats/Roc-A-Fella/Def Jam(2004)
  NYのヒップホップを、音楽面のみならずファッション面からもリードするディプロマッツのリーダー格、キャムロン。ロジャーをネタにしたメロウ曲“Hey Lady”やシンディ・ローパー使いの“Girls”のように80'sテイストの楽曲やEW&Fネタの“More Reasons”、NWAの名曲カヴァー“Dope Man”などなどズルイ曲が盛りだくさん!(Masso)

VARIOUS ARTISTS
『Diplomats : Diplomatic Immunity 2』
 Diplomats/Koch(2004)
  アホみたいにキャッチーなバンギン・ビーツが降り注ぐキャムロン&JR・ライターの“Stop-N-Go”でグッと引き込まれるディプロマッツのコンピ第2弾。懐かしのニコール・レイをフィーチャーしたキュートな歌モノなど、いかにもディプロマッツらしい下世話盤!! 個々のメンバーにスポットが振り分けられているのも良い。(出嶌)

TONY YAYO
『Thoughts Of A Predicate Felon』
 G Unit/Interscope(2005)
  50セントの腹心として、やっとソロ・デビュー作をリリースするに至ったトニー・イエイヨー。シングル“So Seductive”と共にこのアルバムも大ヒットを記録しているが、聴きどころは他のGユニット・メンバーにはないラップの滋味深さだろう。一聴すると地味だがやがて中毒になっていく点はGユニットならではだが。(出嶌)

SHEEK LOUCH
『After Taxes』
 D-Block/Koch(2005)
  シブがき隊で言えばフッくん……とまで言うと可哀想だが、ロックス~D・ブロックの三番手には違いないシークのセカンド・アルバム。当然クルーの面々も招集しつつ、カール・トーマスを迎えたR&B系の“One Name”や、ファボラスらとの“Kiss Your Ass Goodbye(Remix)”など、外部人脈とのコラボのほうがシブさを引き立てている感じ。力作です。(出嶌)

VARIOUS ARTISTS
『D-Block : Peer Pressure II』
 DBK(2005)
  年頭にリリースされた〈Peer Pressure〉の第2弾となるミックステープ。ロックスの3人にJ・フッドを加えた四天王がまんべんなく登場してソロ~コンビ・チューンを披露しているのはいつもどおりの展開だからして、注目はやはりジェイダキスによる“Yayo”のようなGユニット攻撃曲ということになるか。期待のチーム・アライアンスも引き続き参加。(出嶌)

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2005年12月15日 12:00

更新: 2005年12月22日 18:41

ソース: 『bounce』 271号(2005/11/25)

文/池田 貴洋、高橋 荒太郎、出嶌 孝次、Masso 187um

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