耳で聴いたピープル・トゥリー(2)
STEVIE WONDER
『In Square Circle』 Motown(1985)
ルーサーはレジェンドへの尊敬を隠さなかったが、男性アーティストだとスティーヴィーは別格? “Creepin'”“Knocks Me Off My Feet”といったカヴァー曲の完成度も畏敬の念を物語る。交友の一環として今作にはルーサーがコーラスで参加、スティーヴィーがハーモニカでお返ししたことも。(出嶌)
RUBEN STUDDARD
『Soulful』 19/J(2003)
〈American Idol〉出身シンガーのなかでも群を抜く実力者のルーベン君はまさにルーサー・チルドレンの筆頭。選考中からその憧れを強くアピールし、〈バリー・ホワイトの身体にルーサーの歌〉とも評されていたようです。そんな彼が最終選考で披露し、見事に優勝を決めた曲は、もちろん“Superstar”でした。(出嶌)
FRANKIE J
『The One』 Columbia(2005)
甘い歌い口でリスナーを酔わせるシンガーは大勢いるけど、人種などのフィールドを超えて……という部分でルーサーと重なるのがこの人じゃないだろうか。飾り気のない歌唱でキメた王道バラードと、滑らかな歌唱の躍動が楽しめるアップが並んだ本作には、いまにもルーサーが歌い出しそうなメロディーの美曲がズラリ。(林)
RICHARD MARX
『Paid Vacation』 Capitol(1994)
かつてはアイドル・ロッカー、いまは敏腕ソングライターでもある〈リチャマー〉。パブリッシャーが同じという縁から90年代に入って交流を深めたルーサーとは、今作を含むお互いの作品を往来して何度か共作/共演。その最後の共作から生まれたのが、かの名曲“Dance With My Father”だったのでした。(出嶌)
TEDDY PENDERGLASS
『Love Language』 Asylum(1984)
70年代がテディなら80年代はルーサー、とはよく言われるところ。セックス・アピールの度合いはテディのほうが断然上だが、優しく撫で上げるようでいて豪快に歌い込むスタイルは確かに似ている。今作でルーサーが“You're My Choice Tonight(Choose Me)”をプロデュースしたのも必然だったのではないか、と。(林)
JAHEIM
『Ghetto Love』 Divine Mill/Warner Bros.(2001)
70年代がテディなら2000年代はジャヒーム……ということは、つまりルーサーのフォロワーでもあるわけで。特にスロウ曲で際立つ伸びやかで深みのある節回しは、声質そのものに加え、ふとした息遣いまでルーサー節にそっくりだ。彼をバックアップしたケイ・ジーがルーサーの同年作に関わったのも何かの縁?(林)
DIONNE WARWICK
『The Definitive Collection』 Arista
ルーサーにもっとも慕われた歌姫、ディオンヌ・ワーウィック。63年のヒット曲“Anyone Who Had A Heart”などがカヴァーされ、“How Many Times Can We Say Goodbye”ではデュエットを……と、本ベスト盤にはルーサー的な話題も豊富。伯母&従姉妹(シシー&ホイットニー親子)共々、お世話になりました。(林)
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