世界中に拡がるカナディアン・ヒップホップの波!
カナディアン・ヒップホップは、国内における盛んな交流に留まることなく舞台を世界に広げている。ここ数年活況を呈するその事象をざっくりとおさらいしてみたい。すべてを遡った先に行き着くところは、やはりアンチコンである。99年にリリースされて瞬く間に耳目を驚かすこととなった最初のレーベル・コンピ『Anticon Presents:Music For The Advancement Of Hip Hop』からすでにシックストゥーとバック65というカナダを代表する2人のアーティストが名を連ねている。
やがて彼らと同郷のジョシュ・マルティネスが遅れてアンチコンの一員となったのは衆知のとおり。3人がその名を蟻の旗印のもとに刻み込んだのは、2枚目のレーベル・コンピ『Anticon Giga Single』が最後となったが、世界中のクルーや耳の肥えたリスナーがカナダという国に対して目を向ける契機となったと言える。以降、ブーム・ビップがファースト・アルバムにバック65をゲストに迎え、シックストゥーがニンジャ・チューンと契約して作品を発表。そのシックストゥーは、セイジ・フランシスのアルバムで楽曲プロデュースを担当したり、DJヴァディムのリミックスを行ったりと課外活動も多い。それ以外でも、アンチコンのソールを介して出会ったジョシュとシアトルのクルーであるオールドミニオンのスリープがチーチャロンズを結成するなど、新しい動きは次々に起こっている。今はなきエレクトロニカ・レーベル、ヴァーティカル・フォームからマッケンローがベスト盤をリリースしたのも大きな話題を呼んだ。
▼文中に登場したアーティストの作品を紹介
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