こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

特集

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2005年11月04日 13:00

更新: 2005年11月04日 17:29

ソース: 『bounce』 270号(2005/10/25)

文/大崎 晋作

カナダ産ヒップホップの真髄に迫る!


  〈カナダはアメリカではない〉──小学生でもわかることだ。しかし、僕たち日本人は、お馴染みのアメリカとよく似たカナダという国のことを気になってはいるが、実は驚くほどその実体を掴めていないのかもしれない。そんな未知の国=カナダの音楽が今もっともおもしろいと言われている。特にロック・シーンに熱い視線が注がれているが、カナディアン・ヒップホップもまた密やかながらも隆盛期を迎えている。広大な土地から多くの才能が生まれているが、なかでも今年4月にソロ・アルバム『Midriff Music』をリリースして、人々に大きな驚きを与えたヴァンクーヴァー在住のMC=ジョシュ・マルティネスの人気は絶大だ。そんな彼にカナダ・シーンについて訊いてみた。

「カナディアン・ヒップホップはアンチコンが登場した結果、国際的に見ても実に独自のものになったんだ」。

 一般的にはアンチコンの影響下にあると言われるカナディアン・ヒップホップだが、自身もアンチコン・クルーの一員だった彼はそうは考えていないようだ。

「アンチコンは本質的にはハリファックスで発明された。バック65とシックストゥーが、世界のインディー・ラップ・シーン初期の発展にとって大きな影響を与えたんだ」。

 どちらが正しいかはともかく、ことさらにアメリカとの差異を強調することはないにしても、〈自分たちの表現は自分たちのものだ〉という自負が彼らにはあるようだ。カナダの豊かな自然と多文化主義が育んだジョシュ・マルティネスの成長ぶりは目を見張るものがある。

 ところで、ジョシュは普段どういう音楽を聴いているのだろう。

「最近はほとんどロックしか聴いていないよ。オレはスティルス、ブロークン・ソーシャル・シーン、ユニコーンズといったバンドの大ファンなんだ。最近よく聴いてるのはディアーズやベックの『Guero』、あとはキングス・オブ・レオンとかかな」。

 なるほど、ロック・バンドのヴォーカリストも務めるという彼らしい趣味に深く納得だ。

「カナダは最高の国さ。カナダ人はみんなめちゃくちゃおもしろくて、困難を処理する手段としてユーモアを使うほどさ。世界を見る才能があるんだ」。

 彼らのユーモアが本格的に世界を席巻する日もそう遠くはないだろう。

▼ジョシュ・マルティネス関連作品を紹介


ジョシュとスリープによるユニット=チーチャロンズのファースト・アルバム『When Pigs Fly』(hue)

インタビュー