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特集

Broken Social Scene

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2005年11月04日 13:00

更新: 2005年11月04日 17:29

ソース: 『bounce』 270号(2005/10/25)

文/冨田 明宏

反骨精神を内に秘めて、ロックの最先端をひた走る!


  「隣国のアメリカは、文字どおりヘンなニオイがする。僕らはあんなふうにはなりたくない。もちろん、すべてのアメリカ人に当てはまるわけではないよ」(ブレンダン・カニング、ギター:以下同)。

 受け取り方によってはなんだか差別的な発言にも取れてしまうが、もちろんこれは音楽の話。当然のことながらアメリカ人の体臭の話ではない。

「でっかいビジネスの外側で機能している小さな組織にいると、反骨精神が養われるんだ。そして、できるかぎりのことを成し遂げようと必死になるんだよ」。

 要するにアメリカの音楽シーンは金のニオイが強すぎる、ということか? ブロークン・ソーシャル・シーンを語るうえで重要になってくるのが〈反骨精神〉であり、〈インディー・スピリット〉である。いわゆる〈ポスト・ロック〉と呼ばれている音楽は、カテゴリーとして一定の括りに収めてしまうことで、〈ポスト・ロック〉の示す意味合いが薄れてしまう。しかし、「アルバムの冒頭を飾る“Our Faces Split The Coast In Half”は1年かけてレコーディングしたんだ。ちなみに今回はトータルで140曲は録ったかな」という言葉からもわかるように、彼らの楽曲は変容し続けるロックのさらにその先を鳴らしたいという清い上昇志向と、反メジャー主義を掲げるムキ出しのインディー・スピリットが生み出した、壮大なロックのアンサンブルなのである。これこそが紛うことなきスピリットとしての〈ポスト・ロック〉!

 また、彼らの魅力といえば十人十色のメンバーたち。準メンバーも含めると10人を超えるという構成員のなかには、スターズやメトリックのメンバーも名を連ねている。この複合的に絡み合う多くの才能が、まったく新しいアイデアを導き出すのだ。

「カナダにいるということが、自分たちの中で大きな意味を占めていると思う。いったん街を離れると広々とした空間があって、自然や森に囲まれているんだ。とりわけ僕は郊外にある湖が大好きで、そこで泳いでいると新しいアイデアがふと思い浮かぶんだよ」。

 こうしたアイデアが集約されたニュー・アルバム『Broken Social Sce-ne』は、カナダの自然と同様、広大で美しい一枚に仕上がっている。

「僕らは呼吸をする余地だけを残し、あとは美しい混乱を作り上げた。テーマはその日によって変わるかな」。

 アルバムのコンセプトをブレンダンはこのように語ってくれたのだが、ともあれ、彼らがそっと忍ばせるリアルな反骨精神、そして尊きインディー・スピリットを、今作をとおしてぜひ感じ取ってもらいたい。

▼ブロークン・ソーシャル・シーンの作品を紹介

ファイストへのお手紙
 僕らはファイストのことが大好きなんだ。キミは飛びぬけて素晴らしいシンガーだからね。きちんとしたアルバムを作り、素晴らしいバンドを持っている。あらゆる面において別格だよ。だから新作にも参加してもらったんだ。今後も良い友達でいたいね。

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