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カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2005年11月04日 13:00

更新: 2005年11月04日 17:29

ソース: 『bounce』 270号(2005/10/25)

文/加賀 龍一

親しみやすいメロディーを携えてついに日本上陸!


  強豪ひしめく今年の〈サマソニ〉のラインナップに見慣れない、だけど決して小さくないバンド・ロゴの存在が気になった人も多いだろう。今夏、さらりと日本のステージを踏んでしまったボーイという名の超新星が、このたびファースト・アルバム『Every Page You Turn』において堂々の日本デビューを果たした。

「本国でアルバムがリリースされたのは昨年だし、そろそろ次作のことを考えなきゃなって頃に日本から〈サマソニ〉のオファーがあってさ。その直後に日本でのCDデビューの話が舞い込んできて、さらに12月にはふたたび日本に行けるしで、いやもう、ホントにビックリだよ!」(ステファン・ノエル・コズメニック、ヴォーカル/ギター:以下同)。

 こうして届けられた今作は、最近のカナダ・バンドに見られる繊細なメロディーとビッグなサウンドが見事に合致した傑作である。特にオアシスからの影響を感じさせる〈歌えるメロディー〉の完成度はハンパなく、いきなりの夏フェス出演も頷ける親しみやすさだ。

「僕が影響を受けたビートルズやローリング・ストーンズ、ザ・フーみたく、退屈せずにライヴをやることで活きる音楽を作りたいんだ。ライヴで毎日プレイするわけだから、何度プレイしても飽きないような、いろんな表現ができる曲じゃなきゃね。ちょっと流行ってそれ以降は見向きもされないようなバンドにだけはなりたくないね」。

 そんなボーイを育んだカナダ産ロックが、UKやここ日本で大きな注目を浴びている。今年に入って有望な新人が一気にデビューを果たすなど、カナダ・シーンがいよいよ本格的なムーヴメントとして認識されはじめているのである。

「それはきっと、日本みたいにレーベルやショップ、そして音楽ファンの人たちがカナダのバンドに目を向けてくれたおかげかな? それからカナダ政府がアーティストの海外進出をサポートしてくれるのも大きいと思う。僕らのレコーディング費用、プロモ・クリップの制作費、そしてツアーの費用は政府にいくらか援助してもらっているんだ。アーケイド・ファイアやアレクシスオンファイアなど、これまで日本に行ったアーティストもそう。だから急にカナダの音楽が注目されはじめたのかもしれないね」。

 なんと、カナダ大躍進の裏には国を挙げてのサポートがあったのだ! 詳しくは別項のコラムを参照していただくとして、さらにもうひとつカナダ躍進の原動力を挙げるなら、バンド間の結束の固さではないかと思う。ウィークエンドやアレクシスオンファイア、マーブル・インデックスら、すでに日本で成功しているバンドと非常に仲が良いということだが、彼らの間では細かな情報が行き来するコミュニティーが自然と形成されているらしい。

「みんな活動の拠点がトロントなんだ。何度もいっしょにツアーしてるしね。トロントではどんなニュースもあっという間に広がってしまうわけ。たとえばウィークエンドが日本でギグをやったと聞けば、〈なんでそんなことが可能なんだ!?〉ってなったり。だって彼らの曲は凄いけどライヴはさ……(以下割愛)」。

  なんとも仲がよろしいようで! では、この調子で〈カナダ自慢〉をしてもらいましょうか!

「え~、右手に見えますのはオンタリオ湖でございます(笑)。トロントにはストレートなバンドが多いよ。それにこの街にあるチャイナタウンは世界でいちばんの広さと味を誇るんだ。あと真冬の湖の美しさ! マイナス20度とちょっと寒いけど、日中はマイナス3度くらいで温かいよ」。

 マイナス20度! 12月の来日の際は、ぜひともTシャツ一枚で横浜中華街をレポートしてもらいたいものである。

「いいね(笑)。〈サマソニ〉の時はあまり外出できなかったけど、12月はいろんなところに出かけるよ。あとは日本食! マネージャーが日本通なんだけど、トロントの日本食レストランに行くといつも〈東京の味はこんなものじゃない〉って言うんだ。本当かどうかは自分で確認するよ。それがいちばんの楽しみだね(笑)」。

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