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愛憎が入り交じってこそファミリー? ジョージと育ち、ジョージに育てられたPファンカーたち

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2005年10月20日 19:00

ソース: 『bounce』 269号(2005/9/25)

文/出嶌 孝次

 ジョージ・クリントンは王様です。すっかり好々爺のように見える現在はさておき、長きに渡って相当なワンマンぶりを発揮していたそうで。芸歴50年、ということで逸話もいろいろですが、もっとも凄いのは、パーラメントにしろファンカデリックにしろ、グループがレコード会社と契約を交わしているのではなく、実際にはジョージひとりが契約していた(らしい)という話。つまり、ある時期までのPファンクのアルバムはすべて(契約上では)ジョージのソロ・アルバムであり、メンバーたちは(契約上では)参加ミュージシャンのひとりにすぎなかったということになります。つまりジョージにギャラを貰う形だったんですね。そりゃ不仲も絶えないはずです。それでも圧倒的な人望で軍団をまとめ上げてきたジョージの統率力というか人間力には恐れ入るばかり……。ここでは、そんな暴君の圧政(?)に耐えながらキャリアを積み上げてきた(ている)ファミリーたちのごく一部を紹介しておきましょう!!

FUZZY HASKINS


  ベル・エアーズというグループから65年にパーラメンツに移り、ジョージと共に奮闘してきた初期メンバー。ただ、次第に待遇に不満を覚えて76年頃に脱退。現在は『A Whole Nother Radio Active Thang』(Westbound)として1枚に編集されている2枚のソロ作を放った後、不満組を誘って(偽物の)ファンカデリックを結成! 90年代に何となくジョージの元に戻ったり、またオリジナルPというグループを結成したり……良く言えば反骨精神のある人。ジョージの新作にもシレッと参加してます。

BOOTSY COLLINS

  言わずと知れたPファンクの金看板。ラバーズ・バンドを率いての活動はもちろん、ファンカデリックの中心メンバーとしてもジョージ世界の創出に大いに貢献してきたマルチ・ミュージシャン。後進からの人気も高く、そのポップなキャラ立ちはジョージ以上かも。80年代に入るあたりからジョージとは微妙に距離を保っているが、近年に至るまで交流は途切れていない様子だ。2002年の最近作『Play With Bootsy -A Tribute To The Funk』(Wea Germany)にはジョージも登場していました。

BERNIE WORRELL

  70年頃からファンカデリックに参加、絶対音感を授かった唯一無二の天才キーボーディスト。特徴的のモーグ・プレイで、演奏中にトランス状態になることでも知られている。70年代末にジョージと金銭問題でモメて以降はトーキング・ヘッズなどで活躍。ジョージとは93年のソロ3作目『Blacktronic Science』(Gramavision)での共演などを通じて関係を徐々に修繕し、99年に和解!! 現在はPファンク・オールスターズのレギュラーに復帰しています。モス・デフのバック・バンド=ブラック・ジャック・ジョンソンへの参加も話題でした。

EDDIE HAZEL


  ファンカデリックのオリジナル・メンバーにして、Pファンク史上最高の天才ギタリスト。初期ファンカのブラック・ロック路線を推進した。70年代初盤にツアーを外れ、77年にはジミヘンを咀嚼した大傑作ソロ『Games, Dames And Guitar Thangs』(Warner Bros.)をリリース。80年代末にはツアーに復帰したが、92年に夭逝。ジョージの新作でもその閃きに満ちたプレイは堪能できます。

THE PAST MEMBERS

  増殖しまくったPファンカーたちはさまざまなレーベルからリリースを続けていましたが、特にジョージがCBS(現コロムビア)傘下に設立したアンクル・ジャムは、ウォルター“ジュニー”モリソンのソロ作、元スピナーズのフィリップ・ウィン、ブーツィーが率いたスウェット・バンドなど良作が多数リリースされました。にも関わらずそのほとんどが現在は入手困難……。まずはコンピの『Six Degrees Of P-Funk』(Epic)でまとめてどうぞ!

AMP FIDDLER

  〈フジロック〉のステージが大評判だったアンプも、80年代中盤からP軍団で修行してきた人なのです。兄弟のバブズと組んだMrフィドラーとしてのデビューを経て、90年代半ばに独立(デトロイトでのライヴのみ参加することも)。ムーディーマンらとの交流で名を高め、2004年にジョージも参加した初のソロ・アルバム『Waltz Of A Ghetto Fly』(Genuine/PIAS)をリリース。ジョージの新作にも少し関与してます。なお、彼がP軍団から学んだのは〈ステージ上で目立ってもいい局面を考えて振る舞うこと〉だそう。

FEMALE SINGERS


  女性コーラスはPファンクのレコードにもステージにも欠かせない要素でして、これまでにもさまざまなシンガーたちが出入りしています。まず有名なのが、77年に結成されたデュオ(→トリオ)のブライズ・オブ・ファンケンシュタイン。短命ながらも2枚のアルバムを残しました。その主要メンバーだったドーン・シルヴァは独自にアーティスト活動を続け、2000年に『All My Funky Friends』(JDC)をリリースしています。また、トリオ時代のメンバーとなるシェイラ・ホーン(現在はブロディ姓)は時折Pのツアーに参加しているようで、ジョージの新作にも声を添えています。そんなブライズと並んで有名なのがパーレット。こちらは3枚のアルバムを残していて、そのうちの79年作『Invasion Of The Booty Snatchers』(Casablanca)が昨年リイシューされたばかり。このあたりも未CD化/入手困難なモノが多いのでぜひリイシューをお願いしたいものです。ここしばらくは元ブレインストームのベリータ・ウッズがエース的な存在で活躍しており、ジョージの新作にも実質的なソロ曲が収録されています。

THE PRESENT MEMBERS

  Pファンク・オールスターズも当然ながらジワジワと若返りを図っており、まず新参フロントマンとして挙げられるのが、ラッパーのサティヴァ(ジョージの孫!!)とシンガーのケンドラ・フォスター。他にもクラシック系のキンバリー・マニングが際立っています。また、演奏陣も出入りがあり、ここでも目立つのは女性パフォーマー。〈ヴァイオリンのジミヘン〉ことリリ・ヘイデンに注目です。彼女たちの勇姿はジョージの新作、もしくはライヴDVD「ライヴ・アット・モントルー 2004」(ビデオアーツ)でも確認できますよ。

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