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特集

“Atomic Dog”が生まれた80年代、テクノロジーと対峙したファンク IF ANYBODY GETS FUNKED UP

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2005年10月20日 19:00

ソース: 『bounce』 269号(2005/9/25)

文/出田 圭

“Atomic Dog”に代表されるジョージ・クリントンの80年代には、一時的に空中分解したPファンクの、ハイテク(当時)を利したリセット作業という面もある。彼らに限らず、80年代にはシンセやリズム・マシーンなどの音を駆使した刺激的なファンクが登場。

 そこには、当時のタフな世情による即物的な快楽志向や、ゲットーでのドラッグ禍(政府陰謀説もあり)など、ネガティヴな背景も指摘することができる。が、テクノロジーがクリエイターを駆り立てたことで、独特のミニマルなファンク表現が生まれたのも事実。代表格はエムトゥーメイとキャミオだ。前者の“Juicy Fruit”はその金字塔、後者の“She's Strange”は極北といえるだろう。対照的に、生バンドのグルーヴを活かす緩急巧みなハイテク活用を見せたのが、名曲“Dance Floor”などで知られる、ロジャー・トラウトマン率いるザップ。彼らはいずれも70年代ファンクを出自としながら、鋭い嗅覚で台頭したパイオニアだ。確かにアース・ウィンド&ファイアなどハイテクを活かしきれない例もあった。が、ギャップ・バンドやファットバック、バーケイズらはしたたかに対応し、プリンス~タイムや、リック・ジェイムズ、SOSバンド、ミッドナイト・スター、ディールといった新興勢力と群雄割拠の態を成していく。80年代後半には、ジャム&ルイスやフル・フォースがハイテク・ファンクを再度リセット。ハードコア・ヒップホップやニュー・ジャック・スウィングへの舞台が準備されるのと並行してPファンクへの再評価が加速していった事実も、とても興味深い。

▼文中に登場したアーティストの作品を紹介


リック・ジェイムズの81年作『Street Songs』(Motown)

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