こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

特集

延々と繰り広げられるアホな戦い──クリントンがそこに描き出した真の意図とは? FANTASY IS REALITY

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2005年10月20日 19:00

ソース: 『bounce』 269号(2005/9/25)

文/丸屋 九兵衛

 クリントンは、元来シニカルな性格だろうと思う。だが、脳天気でマンガ好きなブーツィー・コリンズとの出会い(70年代前半)を経て、〈主張をコミックというオブラートに包む〉という表現に目覚めたのではないか。

 それまでのドラッギーorポリティカル路線から、コミカル路線へ。そんなシフト変更が見えるのは、パーラメントの『Mothership Connection』だ。映画「未知との遭遇」や「アウターリミッツ」、あとオリジナルTV版「スター・トレック」などが影響源だろうか。ただ、この『Mothership Connection』の時点では、登場人物は基本的にスター・チャイルドのみ。しかし、次作『The Clones Of Dr. Funkenstein』になると、正義のマッド・サイエンティストであるDr.ファンケンシュタインが登場し、スター・チャイルドを強力バックアップすることになる。『Funkentelechy Vs. The Placebo Syndrome』では、ファンクの敵である悪役サー・ノウズ・ディヴォイドブファンクが登場。「ジョーズ」人気に便乗した海洋冒険アルバム『Motor Booty Affair』では、ファンケンシュタインの海中対応型クローンであるMr.ウィグルズも加わって、カナヅチであるサー・ノウズを水責めに。そして『Gloryhallastoopid』ではとうとうサー・ノウズもファンクに改宗し、ファンクに不可欠な〈肉感的尻〉を装着してもらう。『Trombipulation』は、その新生サー・ノウズを主役とした後日談的アルバムである。

 主人公たちと悪役の差は、〈ファンク〉を持っているか否か、それだけ。パッと見は本当にアホみたいな戦いだが、〈アナーキスト〉と言われるクリントンにとってファンクは反逆の象徴なのだろうし、敵は〈白いアメリカ〉の主流社会的価値観だったのだろう。

▼クリントンのファンタジー感をインスパイアした映画のDVDを紹介

インタビュー