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カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2005年10月13日 13:00

更新: 2005年10月20日 15:41

ソース: 『bounce』 269号(2005/9/25)

文/大石 始

おんぼろバスに機材とサーフボードを積み込んで走り出したMagnolia、Caravan、Keison。日本を縦断する〈Surf Rock Trip〉とは?

現代版「フェスティヴァル・エクスプレス」!?


 日本全国、北から南までを巡るロング・ツアー――そんなことは誰でもやってるって? だけど、古ぼけた一台のバスにアーティスト/スタッフが同乗し、アーティスト自身がブッキングを担当、しかも3バンドの合同ツアーで、機材といっしょにサーフボードも積み込まれ……と聞けば、この〈Surf Rock Trip〉というツアーがいかに前代未聞のものかわかるはず。中心となっているのは、Magnolia、Caravan、Keison。彼らはかねてからインディペンデントな活動を重視し、そこから生まれる人の絆を大切にしてきた。3バンドそれぞれの交流も深く、昨年末にはこのツアーの構想が話し合われていたという。

「酒呑み話で〈こんなことができたらなぁ〉とは話してた。でも、それがただのツアーじゃなくて文ちゃん(加藤文太郎:カメラマン)とかの作品もいっしょに回っていく形でやりたかったんだよね。僕らの周りには映像や写真のいろんなクリエイターがいるから、みんなで記録を残せたらいいねって話しててね。それを具体化するためにMAIちゃんが動いてくれた」(Caravan)。

「いろんなタイミングがあってね……特に〈GREENROOM〉をやって間違いないなって思った。あのとき勇気づけられたのは、関わってる人は素人ばっかりなんだけど、気持ちだけであれだけのことができるんだって思えたこと」(MAI/Magnolia)。

 今年2月に横浜で行われた一大フェス〈THE GREENROOM FESTIVAL〉には、Magnolia、Caravan、Keisonに加えてトミー・ゲレロやレイ・バービー、スリップらも出演、会場にはフォトグラファー、イラストレーター、映像クリエイターの作品も展示され、サーフ・カルチャーの今後を指し示した非常に重要なイヴェントとなった。

「あと、個人的には映画〈フェスティヴァル・エクスプレス〉が大きかったんだよね。クルーから楽器、ミュージシャンまでみんなが同じ乗り物に乗るっていうのがおもしろくて」(Caravan)。

 でもさ、あれって30年以上前の話じゃん? それをこの21世紀に実現させようっていうのは……。

「だけど、3人それぞれがインディペンデントなやり方を貫いてきたし、距離が伸びただけでいままでやってきたことと根本的には変わらないんだよね」(MAI)。

「確かに大変だよ、音楽以外のこともやらなくちゃいけないから。ブッキングからギャラの交渉、ホテルの予約とかフライヤー作りまで。でも、みんなシステマティックなライヴとは違うやり方をしたかったからね」(Caravan)。

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